美しい彩色陶棺が多数出土


奈良県奈良市西大寺赤田町1丁目・西大寺赤田横穴墓群

 2011年3月13日 現地説明会/奈良市教育委員会

 病院の敷地内の南斜面で、過去に発見されていた1、2号墓の西側からさらに12基の横穴墓が見つかり、そのうち、3〜9号墓が調査されました。3〜5号墓は長さ6〜8mの規模の大きな一群で、特に5号墓では大型の土師質亀甲形陶棺が2基見つかりました。6号墓は築造中に5号墓の一部を壊してしまったために、途中で廃棄されていました。7、8号墓は長さ4〜5mの中規模の横穴で、陶棺が7号墓から2基、8号墓から1基見つかりました。特に7号墓の1基は長さ1.1mのおそらく子供用で、完形状態でした。9号墓は墓室は未調査です。陶棺はいずれも赤色で彩色され、3号墓のものは緑色も使用されていました。六世紀後半に3〜5号墓が築かれ、七世紀前半に1、2、6〜9号墓が左右に広がる形で築かれました。埴輪の製作に携わった土師氏の墓群と思われ、自分たちの棺を得意の技術を駆使して作り上げたということですね。

 

3号墓、陶棺1、木棺1基出土

3号墓出土の緑色彩色陶棺片

4号墓、陶棺1、木棺2基出土

5号墓の土師質亀甲形陶棺

7号墓、陶棺2、木棺1基出土

7号墓から出土した小型陶棺

8号墓

9号墓、墓室はまだ埋まったまま


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