京都府綾部市の古墳


私市円山古墳 【管理人推薦】【府史跡】

 綾部市私市町円山8-2、舞鶴自動車道のトンネルの上にあり、私市円山古墳公園として整備公開されています。昭和63年、舞鶴自動車道の事前調査で発見され、当初破壊される予定でしたが、トンネル化することで保存されました。由良川を見下ろす丘陵上に築かれた五世紀中頃、径70mの京都府最大の造出し付き円墳で、三段築成、斜面には葺石を敷き詰め、各テラスと墳頂には円筒埴輪が並べられていました。造り出しは円筒埴輪で囲まれた方形区画に形象埴輪が置かれていました。埋葬施設は3基あり、中央の第二主体部は二段の墓坑に組合式木棺が納められ、甲冑、武器、農工具、鏡、玉類など豊富な副葬品が出土し、由良川流域に君臨した王者に相応しい内容です。隣の第一主体部は、第二の後に築かれ、ほぼ同じ内容であることから、両被葬者は親子か兄弟の関係であると思われます。

 

三段築成の墳丘

手前が第一主体部、奧が第二主体部


加迫古墳群

 綾部市西神宮寺町加迫の加迫神社隣の林の中にありましたが、調査後消滅しました。5基の円墳からなり、2007年度の調査で、すべての横穴式石室が明らかになりました。特に3号墳は、中心に位置する径14mの円墳で、横穴式石室は全長6.7m、玄室長4.3m、幅2m、羨道長2.4m、幅1.1mの両袖式で、床面には石敷きが良好に残っていました。他の4基は3号墳のまわりに取り囲むように存在する小石室墳です。

1号墳、径8mの円墳、石室は5.7m×1.2mの無袖式

2号墳、径12mの円墳、石室は7.3m×1.3mの無袖式

3号墳玄室

3号墳奧から

4号墳、径12mの円墳、石室は5.6m×1.2mの無袖式

6号墳、径13mの円墳、石室は全長6.3mの両袖式


札の前古墳

 綾部市西原町札の前、国道27号線すぐ北にあり、由良川を見下ろす河岸段丘上に築かれた径14mの円墳です。墳丘は一見、段築状に見えますが、かなり改変されています。墳頂に横穴式石室の天井石が露出していて、石室内部は完全に埋まっています。早い調査が望まれます。

一見段築状の墳丘、小祠あり

天井石が露出した石室正面側


申酉(さるとり)古墳

 綾部市西原町申酉、札の前古墳の北100m、国道27号線の1本北を走る市道沿いの民家(西村さん)の敷地内にあり、道路から開口した石室が見えています。径12.7mの円墳ですが、墳丘は完全に流失し、横穴式石室が完全に露出しています。石室は奥壁付近と入口が破壊されていて、現状で長さ7m、幅1.5mほどの無袖式です。

民家敷地内に奥壁側が開口

左が奥壁

石室内、奧から入口方向

石室正面側


神宮谷古墳群

 綾部市別所町神宮谷の熊野神社本殿裏に1号墳があります。径10mの円墳ですが、墳丘はほとんど残っておらず、横穴式石室の天井石が露出しています。全長5.5m、玄室長2.5m、幅0.85m、羨道幅0.6mの小さなサイズですが、一応両袖式らしいです。少し東に石材が散乱していますが、これが2号墳と思われます。

1号墳石室の天井石

1号墳石室横から

1号墳石室内部、ほとんど埋まっている

2号墳?石材散乱


聖塚・菖蒲塚古墳 【国史跡】

 綾部市多田町取畦、由良川北岸の小盆地に二基の大型方墳が近接して築かれています。南西側の聖塚古墳は一辺54mの方墳で、二段築成。南側に造出があり、周囲を幅12mの周濠が巡ります。葺石、埴輪を伴い、明治時代に彷製神獣鏡、冑、三角板革綴短甲、刀剣、矛、銛、鏃、勾玉、ガラス玉が見つかっています。古墳中期前半の築造です。

聖塚古墳

二段築成が良くわかる

 北東側の菖蒲塚古墳は一辺30mの二段築成の方墳で、南側に二段に突出する特異な造出を持ちます。幅6mの周濠が巡り、葺石、埴輪を伴います。中期前半の築造ですが、聖塚に先行すると考えられます。

菖蒲塚古墳

右側に造出が残る


狐塚古墳

 綾部市多田町、綾部市丸山スポーツ公園駐車場東側の山林の中にあります。径20mの円墳で、墳丘は周溝も含め、良く残っています。横穴式石室は羨道の天井部が失われていますが、玄室は完存。全長8.5m以上、玄室長4m、幅2.1m、高さ2.9m、羨道幅1.4m、高さ1.7mの右片袖式で、奧・側壁とも石材は小さく、側壁は持ち送って高い天井を支えています。調査後は玄室が土嚢で埋められて、現在は羨道部だけが見学できます。

古墳全景

周溝も良好に残る

石室正面

羨道部の側壁


青野大塚古墳

 綾部市青野町大塚、市立病院西側駐車場の隣にあります。周囲をかなり削られていますが、径16.5m、高さ3.4mの円墳で、未調査のため詳細は不明です。地元では以仁王墓の言い伝えがあるために現在まで保存されてきました。墳丘上には大きな桜の木があり、満開時には花見で賑わうそうです。

 


野田4号墳

 綾部市野田町番上目、府道450号線沿いにあり、すぐわかります。由良川南岸の段丘上に築かれた径15mくらいの円墳で、墳丘がかなり崩されていますが、横穴式石室は良く残されています。東向きに開口し、全長7m以上、玄室長4m、幅1.8m、高さ2m、羨道幅1.2m、高さ1.4mの右片袖式で、側壁は持ち送りが大きく、奥壁は埋まっています。

道路沿いにあり、かなり築山化されている

石室開口部、東向き

玄室奥壁方向、埋まっている

玄室奧から


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