岐阜県恵那市・明智町の古墳


能万寺古墳群 【県史跡】

 恵那駅北側の長栄寺裏山一帯に分布する古墳群で、もと22基以上ありましたが、現在は9基が県指定史跡として残されています。

 ■能万寺1号墳 【管理人推薦】

 長栄寺すぐ裏の林の中の南向斜面にあります。径19.5mの群中、最大の円墳で、周囲を根巻石が巡っています。南に開口する横穴式石室は全長8.2m、玄室長4.5m、最大幅2m、高さ2mのやや胴張状です。

古墳の現状

羨道

玄室奥壁

玄門部、奥から

 ■能万寺2号墳

 長栄寺すぐ東の丘陵先端部にあります。径12mの円墳ですが、墳丘はかなり削られています。南に開口する横穴式石室は羨道と玄室前側が破壊されており、現存する玄室長3m、幅1.5mでやや胴張です。

 ■能万寺5号墳

 中央自動車道の建設に伴い、大井町のやすらぎの森に移築されました。径12mの円墳で、南に開口する横穴式石室は玄室長2.7m、幅1.1m、羨道長4m、幅1m、床面は平坦で、玄門には立柱石を据えています。

石室正面

羨道

玄室奥壁

奥から、袖部は幅が狭い

 ■能万寺8号墳

 長栄寺の裏山を登って行き、中央道を超えてさらに登っていった松が丘集会所の東にあります。径15mの円墳で石材が露出しており、主体部は横穴式石室と思われます。

 

 ■能万寺9号墳 

 8号墳の道を挟んだ向かいにあります。径15mの円墳で、南に横穴式石室が開口しています。羨道は埋まっていますが、天井石が一部はずされていて玄室には入れます。全長8.6m、玄室長5m、最大幅1.75mのかなり胴張形式です。


蓮華寺古墳群

 恵那市大井町の長国寺裏山にある墓地(中央自動車道の北側)奥の林の中に固まって分布します。現存9基ですが、3、5、6号墳は石材が転がっている程度。9号墳のみ少し離れたところにあります。

 ■蓮華寺1号墳

 東端にある径9mの円墳で、横穴式石室は天井部がわずかに開口。川原石を積み上げた小型の石室です。

 ■蓮華寺2号墳

 1号墳の西に隣接した径10mの円墳です。横穴式石室の天井石が露出しており、内部はほとんど埋まっています。

 

 ■蓮華寺4号墳

 2号墳の西にある径11mの円墳です。横穴式石室は天井部に隙間があり、玄室長2.65m、幅0.6〜1mの胴張り状です。羨道部はかなり埋まっています。

 

 ■蓮華寺7号墳

 墓地のすぐ裏にある径12.5mの円墳です。主体部は完全に埋まっていますが、おそらく横穴式石室でしょう。

 

 ■蓮華寺8号墳

 西端に位置しますが、墳丘はほとんど流失。横穴式石室の奥壁と側壁の一部のみが残されています。奥壁幅0.82m。

  


明智町の古墳

 明知鉄道明智駅の裏を南北に流れる滝坂川をはさんで東西両岸の丘陵先端に向かい合うように2基の横穴式石室墳が並んでいます。しかし石室は供に南に開口しています。

 ■久後古墳 【管理人推薦】【県史跡】

 川の西側、独身寮の前にあります。径8.5mの円墳で玄室長4m、幅1.9m、高さ1.7m、羨道長2.1mで、奥壁は巨大な1枚石、側壁は小型の石材を積み上げ、強い胴張状となっています。玄門は1.1m×0.5mの花崗岩の板石2枚で塞がれていて、玄室床面には敷石がほぼ完全に残っています。小型ながら、ピリリと辛い石室です。

石室正面

玄室奥壁

玄門部、奥から

玄室床面の敷石

 ■徳平古墳 【管理人推薦】【県史跡】

 久後古墳の対岸、イトウハチミツの裏山先端にあり、横の路地をすり抜けて登っていきます。径11mの円墳で、玄室長3.3m、幅1.9m、高さ1.7mの胴張状で、羨道長1.9m、幅1.2m、床には敷石が残っています。

石室正面

羨道

玄室奥壁

奥から玄門部


<ホームへ戻る>

inserted by FC2 system