静岡県藤枝市(旧藤枝市・岡部町)の古墳


九景寺古墳

 藤枝市瀬古の金比羅山天満宮へ登る石段の左側の墓地すぐ下にあります。石段脇に石室側壁が開口していて、羨道は石段の下に埋まっています。玄室長5m、幅1.95m、高さ1.95mで石材は切石に近く、終末期の古墳と見られます。市内では唯一良好に遺された石室です。


衣原(ころんばら)古墳群 【市史跡】

  藤枝PAより

 藤枝市中ノ合・下之郷、新東名高速道路上り藤枝PAの西隣りの尾根上から南斜面にかけて分布する後期群集墳で、11基からなりますが、丘陵南端の8〜10号墳は過去に消滅、11号墳は高速道建設で消滅しています。尾根上に分布する1〜7号墳のうち、最高所にある1号墳は天井部を失った横穴式石室が残存しています。1号墳へは、藤枝PAの出入口の前に小さい地蔵尊があり、そこからみかん畑の脇を直登した先の林の中にあります。そこから南へ尾根筋を下っていくと2〜7号墳が分布していますが、明確に古墳とわかるものはありません。

藤枝PAを出たところ、真上の林の中に1号墳

1号墳石室入口、崩壊している

1号墳石室、玄室奥壁

1号墳石室、玄室奧から入口方向


入野古墳(入野西1号墳) 【管理人推薦】【市史跡】

 藤枝市旧岡部町入野、新東名高速藤枝岡部ICから県道81号線を少し北西へ行くと駿河金属向かいの道路沿いに古墳への登り口があります。古墳はかなり高所にあり、道はものすごく急な登り道です。墳丘はおそらく円墳で、横穴式石室が開口しています。全長7.5m、玄室長3.9m、幅1.8m、高さ2m、羨道幅1.5m、玄門に立柱石を立てた疑似両袖式で、玄室はわずかに胴張り状です。奥壁下段の石は真四角な巨石で、天井も巨石で平天井を構築しています。羨道の天井石は失われています。出土遺物はまったく知られて居ませんが、終末期七世紀前半の築造と見られます。

古墳への登り口

羨道

玄門

玄室

真四角な玄室奥壁鏡石

玄室奧から


入野東1号墳

 入野西1号墳の南東500m、新東名高速の南に隣接する丘陵上にありますが、竹林が荒れているので、訪問は困難です。上部を失った横穴式石室が露出。残存長5.9m、玄室長4.4m、幅1.7m、羨道幅1.8mの疑似両袖式で、左側の立柱石だけが残っています。玄室はやや胴張り状。

石室正面

右側壁

玄室奥壁

奧から、左側壁に立柱石が張り出している

 すぐ北側の丘陵頂上付近に2号墳があるはずですが、高速道路がすぐそばに迫っており、明確な痕跡はありません。また、高速道路の建設で9号墳が調査後破壊されています。

  2号墳と思われる場所


新地ヶ段古墳

 藤枝市旧岡部町岡部641の三星寺の墓地内にあります。南斜面にあり、墳丘はかなり流失していますが、径10mほどの円墳と見られ、横穴式石室の石材が一部露出しています。

墓地の真ん中にあります

石材が露出


薬師堂1号墳

 藤枝市旧岡部町村良591、薬師堂の裏山に大仲寺があり、その墓地にあります。現状で径10mほどの円墳で、横穴式石室の玄室が状態良く残っています。現状長2m、幅1.2m、高さ1.7mほどの小石室です。近くの2号墳は消滅しています。

ここも墓地の真ん中にあります

玄室奥壁


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