埼玉県行田市北部の古墳
■小見真観寺古墳 【管理人推薦】【国史跡】
行田市小見1124-1の真観寺境内にあります。全長112m、後円部と鞍部に2基の横穴式石室があります。後円部石室は緑泥片岩の板石で築かれた複室構造で、奥室長2.7m、幅2.2m、高さ2.1m、前室長2.4m、幅2.2m、高さ2.1m、各室は板石で仕切られていて、後室の玄門は蓋石用の段差のついた入口がくり抜かれていますが、一部が割れて手前に倒れています。奥室の壁と天井はすべて1枚石で、床面には石棺か屍床用の溝が残っています。羨道部はほとんど残って居ません。鞍部の石室は、奥室のみが残っています。長さ2.8m、幅1.7mで後円部と比べると規模はかなり小さいです。
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行田市藤原町二丁目の若小玉郵便局の南100mにあります。住宅街の中にあって場所がわかりにくいです。七世紀中頃の一辺28mの方墳で、周濠が巡ります。横穴式石室は全長8.5m以上、玄室長4m、最大幅3.6m、高さ2.9mの両袖式で、玄室は胴張り状。奥壁と天井石は緑泥片岩、他は安山岩の切石を使用しています。かつて、天井石が石室内に落ち込んでいましたが、復元工事中に壁画が見つかりました。右側壁の中央部に線刻で人物・靭・馬・家・船・水鳥が描かれていて、埼玉県では唯一の装飾古墳です。石室は現在閉鎖されていますが、県立博物館に壁画のレプリカが展示されています。
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行田市藤原町一丁目、地蔵塚古墳の南500m、行田工業団地の中の八幡山古墳公園内に保存されています。径77m、高さ11m以上の大型円墳です。江戸時代には石室が開口していたらしいですが、昭和9年に墳丘が削平されて、三室構造の巨大な横穴式石室が露出し、その後、復元されました。推定全長16.7m、奥室長5.4m、最大幅4.7m、高さ3.1m、中室長5.6m、最大幅4.2mの規模で、奥室の最大幅は私が知る限りでは日本最大です。天井は緑泥片岩の板石、側壁は緑泥片岩の板石と安山岩の切石、床面は緑泥片岩の板石と砂岩を使用しています。各室は胴張り状で、特に奥室は隅丸で全体をドーム状に構築し、前壁部は緑泥片岩の板石をひたすら積み重ねています。実測図では床面の下に4mの盛り土があり、壁材も床下1.8mまで続いていて、その下に基底石を敷いているようです。基礎工事をかなりしっかりしていますね。石室は休日のみ公開されます。
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