兵庫県豊岡市(旧日高町)の古墳


楯縫古墳 【管理人推薦】【県史跡】

 旧日高町の中心部から円山川にかかる日置橋を渡り、鶴岡集落南の谷間を進むと、農道沿いに楯縫古墳群の石柱が建っています。そこから林の中へ入っていくと谷間の奥に但馬最大級の巨大な石室が露出しています。径28mほどの円墳で、横穴式石室は全長13m以上、玄室長5.1m、幅2.6m、高さ3.4m、羨道長8m、幅1.5m、たかさ1.7mの両袖式です。しかし左袖部はほとんどありません。床面には川原石が敷かれ、閉塞石が一部残っています。


十二所神社古墳 【管理人推薦】【装飾古墳】

 国道312号線鶴岡橋交差点の北200mの円山川沿いに十二所神社があり、その境内に横穴式石室が露出しています。石室内はかなり埋まっていますが、表面が整った石材(見上げ石?)が正面にあり、意味不明の線刻が描かれています。

開口部(おそらく奥壁側)

側面から

線刻のある見上げ石?

線刻


南構遺跡

 日高町久斗、北近畿豊岡自動車道の予定地内で発見された複合遺跡で、後期古墳が10基検出されました。古墳時代には集落内の北側が墓域、南側が居住域と隣接して区別されていたことがわかりました。また、遺跡は但馬国国府の隣接地であり、奈良、平安期には国府の役人が居住していたと思われます。古墳はすべて墳丘を失い、横穴式石室の基底部のみ残っていましたが、遺物の残存状況は比較的良好でした。最大の10号墳は径15mの円墳で、唯一外護列石が残っていました。石室は、床面の敷石のみが残っていましたが、熔岩と川原石を巧みに組み合わせています。

5号墳、石材は熔岩

6号墳

7号墳、右奥が6号墳

9号墳

10号墳

10号墳石室の敷石


岩倉古墳群 【管理人推薦】

 旧日高町栗栖野の神鍋高原スキー場リフト乗り場西側の林の中や、その周辺にあります。道の駅神鍋高原のすぐ北側です。34基からなる群集墳ですが、横穴式石室が完存するのは3号墳のみで、他は、一部に石材が見られる程度です。1、2号墳はリフト乗り場のすぐ前にあり、ともに径10mほどの円墳で、崩壊した石材が見えています。林の中に3号墳があり、完存する横穴式石室が開口しています。全長9.3m、玄室長3.7m、幅2.4m、高さ2.5m、羨道長5.6m、幅1.5m、高さ2.1mの右片袖式で、粗々しい火成岩をほとんど加工せずに積み上げています。林の中には他にも多くの墳丘がありますが、状態の良い石室はありません。となりの「かんなべ湯の森ゆとろぎ」敷地内に最大の23号墳の大きな墳丘が見えていますが、開口はしていないようです。

1(右)、2号墳、奥の林の中に3号墳ほかがある

2号墳、目の前はスキー場

唯一石室が完存する3号墳

3号墳玄室奥壁

3号墳奥から

4号墳、石材が一部見えている

5号墳?石室露出

23号墳


大木谷古墳群

 日高町山元の丘陵地にあり、北近畿豊岡自動車道日高豊岡南道路建設に伴い2017年に調査され、14基の古墳が検出されました。尾根上に築かれた2〜14号墳はほとんどが四世紀前半に築かれた木棺直葬墓で、麓近くに築かれた1号墳は六世紀の竪穴系横穴式石室墳です。1号墳は径13mの円墳で、石室は大きく破壊されていましたが、玄門付近と閉塞石は良好に残っていました。神鍋山の熔岩を石材に使用し、他の古墳とは明らかに異質な存在です。

唯一の横穴式石室をもつ1号墳

1号墳の竪穴系横穴式石室

1号墳石室玄門部、閉塞石がそのまま残る

手前が3号墳、奧が4号墳

4号墳、5基の埋葬施設がある

10号墳、中心にある最大の長方形墳

11号墳

13号墳

先端にある14号墳


竹貫古墳群 

 日高町竹貫の丘陵上にある群集墳で、北近畿豊岡自動車道の予定地で2基が調査されました。23号墳は径11mの円墳で、埋葬施設は竪穴式石室と木棺直葬の2基が並んでいました。竪穴式石室は小型の石材で側壁を構築していましたが、蓋石がなく、木で蓋をしていたと思われます。石室内部には割竹形木棺が納められていました。24号墳は一辺10mの方墳で、主体部は竪穴式石室。こちらは小石室で石材で蓋をしていました。墳頂で須恵器の甕が出土。石室床面では直刀が副葬されていました。ともに五世紀後半の特徴ある古墳です。

23号墳竪穴式石室、側壁しかない

23号墳木棺直葬

24号墳

24号墳竪穴式石室、手前側は流失、直刀と壷が出土


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