長野県安曇野市穂高古墳群EFGH支群
◆穂高E−1号墳(西牧塚古墳)
E支群は安曇野市穂高町牧地区の川窪沢川周辺にあり、19基からなります。E-1号墳(西牧塚古墳)は牧区公民館の北の農地の中にあります。径11mの円墳ですが、低い墳丘が残るのみです。墳丘上に小祠と石材がありますが石室材かは不明です。
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安曇野市穂高町牧、南アルプス常念岳の山裾、烏川に沿って広大な国営アルプスあづみの公園があり、園内と、その隣接地にE-6〜8号墳、F-9、10号墳があります。東端に近い古墳の森にE-6号墳(狐塚3号古墳)、そのすぐ西の園外にE-7号墳(狐塚2号古墳)、E-8号墳(狐塚1号古墳)が接近して並んでいます。E-6号墳(狐塚3号古墳)は径20mの大きな円墳で、墳頂は大きく陥没し、石材が散乱しています。武具、馬具、装身具、須恵器などの副葬品が多数出土しました。
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E-6号墳(狐塚3号古墳)のすぐ西の園外にE-7号墳(狐塚2号古墳)があります。径15mの円墳で、横穴式石室が半壊して露出しています。全長7.2m、幅2.1mの規模で、1951年の調査で鉄鏃、直刀、刀子、鍔、金環が出土しています。さらにすぐ西にあるE-8号墳(狐塚1号古墳)は径15mの円墳で、詳細は不明です。
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F支群はE支群とは烏川を挟んで南側の農地周辺に10基確認されています。上記の国営アルプスあづみの公園内の水辺の休憩所東側の林の中にはF-9、10号墳(二つ塚)が並んでいます。F-9号墳は径17mの円墳で、近年の國學院大學の発掘調査により、横穴式石室が検出されました。全長7m、幅1.5mの規模で、天井石は失われていましたが、奧、左右側壁は比較的良好に残っていました。六世紀後半の築造で、土器、直刀、水晶製切子玉などが出土しています。
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F-9号墳のすぐそばのF-10号墳は径13mの円墳で、小型の横穴式石室が良好に残っています。全長3.2m、幅1.1mの規模で、現在内部はほとんど埋められてしまっています。
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県道309号を県道25号との交差点から東へ500m進んだ南側の農地の中にF-3、4号墳があります。東側のF-3号墳は径10mの円墳で、墳丘上には石材が多数散乱しています。西側のF-4号墳は径6mの円墳ですが、墳丘はほとんど残っていません。こちらも石材が散乱しています。ともに横穴式石室が主体部と思われます。
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県道309号から1本南の市道南側の農地内にF-5〜7号墳があります。F-4号墳の南西150mの市道沿いにあるF-5号墳は径10mの円墳で、全長5.5m、幅1.4mの横穴式石室が埋まっていました。その西100mの水田の中にあるF-6号墳(元塚大明神古墳)は径10mの円墳ですが、墳丘はほとんど残っていません。鳥居の東となりに横穴式石室の東側壁が露出していますが、周囲が水田で接近できない上に激しい薮に覆われて現状では確認は困難です。長さ4m。幅1.4mで、小型の河原石を積み上げています。F-4号墳の西200mの市道沿いにあるF-7号墳は小さな墳丘が残る円墳です。
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国営アルプスあづみの公園堀金口ゲートの北西300m、小さな林の西にあります。径8mほどの円墳で、小型の横穴式石室が良好に残っています。全長7m、幅1m、高さ1.5mの両袖式で、奥壁は小さな石材を積み上げていて、側壁との境目も不明確です。現時点で穂高古墳群には含まれていませんが、実質、同じ古墳群でしょう。
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安曇野市穂高町上原の水田中に古墳公園として整備保存されています。昭和5年に耕地整理に伴って発見されました。この地域の特徴の一つとして、地表面下に石室を構築した古墳がいくつか存在し、そのうちの一つです。墳丘はすでに削平されていましたが、地表下の石室は残っていて、長さ10mの無袖式です。
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安曇野市穂高町有明、県道25号が穂高川を渡る地点から400m南の農地の中にあり、墳丘上は大塚神社となっています。径15.5mの円墳ですが、古墳ではない可能性もあります。祠が巨石の上に建っており、石室材なのかも知れません。
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