三重県伊賀市(旧大山田村)鳳凰寺古墳群

 

 鳳凰寺(ぼおじ)古墳群は旧大山田村の鳳凰寺集落の東の谷間周辺に広く分布する古墳群で、76基の古墳からなり、A〜Kの11支群に区分されています。うち、A支群は、唯一の前方後円墳である鳴塚古墳で、谷間の入口に位置しています。


B支群

 鳴塚古墳の北側の尾根上にあり、10基の古墳からなりますが、いずれも墳丘のみ残っていて、主体部は横穴式石室以外と思われます。4号墳だけが方墳で、他は円墳ということですが、その4号墳のみ、消滅していそうです。尾根の西端から3〜5号墳が並び、尾根の中央には6〜9号墳が並んでいます。

3号墳、円墳

5号墳、わずかな高まりのみ

6号墳、大きな円墳

7号墳、南に派生した小円墳

8号墳、大きな円墳

9号墳、大きな円墳

 尾根の北側には低い墳丘の1号墳があり、東側には2、10号墳があります。いずれも円墳です。

1号墳、円墳

2号墳、円墳

10号墳、円墳


C支群

 鳴塚古墳から東へ進み、山林内の交差点を左に曲がって500mほど行くと、左側の山林内に大きな墳丘がみえています。これがC18号墳で、ここから9基の古墳がほぼ一列に並んでいます。18号墳は径20mほどの大きな墳丘ですが、残念ながら墳頂は大きく陥没しています。奧に進んで、となりの17号墳は、低い墳丘が残っています。

3号墳、円墳

5号墳、わずかな高まりのみ

6号墳、大きな円墳

 となりの16号墳は、径18mの円墳で、周溝が残っています。山道の反対側に回り込むと、横穴式石室が開口しています。玄室長4.64m、幅2.12m、高さ2.57m、羨道長5m、幅1.5m、高さ2mの大きな石室で、自然石乱石積みの右片袖式です。玄室は持ち送っています。羨道はかなり破壊されていますが、入口両側に外護列石が残っています。なお、玄室は水没しているので、奧まで行けません。なお、この石室からは、調査時、副葬品がほとんど見つかっておらず、埋葬されずに放置された古墳ではないかと言われています。

石室正面

羨道は破壊されている

玄室奥壁

玄室袖部、水没しているので、引けない

 少し距離を置いて、人工林の中にはいると、15〜13号墳の大きな墳丘が並んでいます。15号墳は、墳頂に石材が散乱。14号墳は横穴式石室が開口していますが、内部は途中から土砂に埋まっています。13号墳は、墳頂が大きく陥没しています。13号墳の後ろにも墳丘らしきものがあり、石材が散乱しています(命名・仮称C19号墳)。

15号墳、墳頂に石材散乱

14号墳、完存

14号墳、横穴式石室開口部

14号墳、石室内部、途中から埋まっている

13号墳、墳頂が陥没している

仮称19号墳、石材散乱

 仮称19号墳から奧に進むと12号墳があるはずですが、完全に消滅しています。その先にある11号墳は山道で墳丘が半壊しています。

12号墳のあるはずの場所。消滅か?

山道で半分削られた11号墳


E支群

 C支群から谷間を挟んで南側の斜面にE支群があります。C18号墳のところから、市道を南に少し回り込むと、北側の山林内に2基の古墳が並んでいます。仮称7号墳は径10mほどの円墳で、墳頂に石材が露出しています。となりの仮称8号墳は、横穴式石室の天井石が露出していますが内部は埋没しています。ここから少し谷間を下ると1号墳があります。径10mほどの円墳で、石材が散乱しています。

仮称7号墳、円墳

仮称8号墳、円墳

仮称8号墳、天井石が露出

1号墳、円墳

1号墳、墳頂に石材散乱

 市道をはさんで、反対側の斜面を100mほど登っていくと、林の中に3号墳がありますが、墳丘はまったくなく、石材が散乱するのみです。その50m上方にある4号墳は径10mほどの円墳で、石材が一部露出しています。市道を少し南に進んだ道沿いにある2号墳は、径20mほどの大きな円墳で、墳頂に石材が散乱しています。

3号墳、石材散乱

4号墳、石材露出

2号墳、大きな墳丘に石材散乱


F支群

 F支群は鳴塚古墳から山林の奧へ農道沿いに分布する28基の円墳からなり、麓寄りの生賀支群と奧側の中連支群とに分かれます。農道と、C、E支群から来る市道との交差点の東側には、中連5、7、8号墳があります。5号墳は石材散乱。7、8号墳は天井石が露出していますが、内部は埋まっています。

5号墳、石材散乱

7号墳、天井石露出

8号墳、天井石露出

 8号墳から道路をさらに進むと、道が大きくカーブする内側に中連9〜12号墳が密集しています。9号墳は墳丘が良好に残り、天井石が露出しています。10〜12号墳は墳丘がほとんど失われ、10号墳は天井石露出、11、12号墳は石材が散乱しています。

9号墳、 天井石露出

10号墳、天井石露出

11号墳、 石材散乱

12号墳、 石材散乱

 7号墳のすぐ向かいに生賀18号墳があります。F支群では唯一、横穴式石室が開口しています。全長6.4m、玄室長4.45m、幅1.55m、高さ1.5m、羨道長1.8m、幅1m、玄室奧側以外は破壊されています。

7号墳の道路を挟んだ向かいにある

玄室奧側が良好に残る

玄室奧壁

 生賀18号墳を少し下った市道近くに17号墳があります。横穴式石室の天井石が露出していますが、内部は埋まっています。元の交差点を挟んで向かいに仮称20号墳があります。墳頂に石材が散乱しています。

17号墳

17号墳、天井石露出

仮称20号墳

 交差点の南西に生賀11〜13号墳が並んでいます。市道に隣接した13号墳は、小円墳で、石材が散乱しています。となりの12号墳は墳丘は失われ、天井石が露出しています。11号墳は大きな円墳で、墳丘が良好に残り、石室入口の天井石が露出しています。内部は埋まっています。

13号墳、 石材散乱

12号墳、天井石露出、奧に巨大な11号墳

11号墳、石室入口

11号墳石室内部

 生賀11号墳から市道を少し下ると、道路を挟んで北に生賀3号墳、南に仮称16号墳があります。ともに、石材の一部が露出しています。

道路北側の生賀3号墳

道路北側の仮称生賀16号墳

16号墳の露出石材

 仮称生賀16号墳のすぐ西に生賀10、4号墳が並んでいます。ともに大きな墳丘が残っていますが、墳頂が大きく陥没しています。4号墳では、石室石材の一部が残っています。

生賀10号墳

生賀4号墳

生賀4号墳、露出した石材

 生賀4号墳の道路の向かいに生賀9号墳があります。墳丘はかなり削られています。西100mにある生賀7号墳はほとんど墳丘の形を留めていません。

生賀9号墳

生賀7号墳


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