長崎県壱岐市芦辺町中部の古墳


百田頭古墳群 【管理人推薦】

 壱岐市芦辺町国分本村触字兵瀬、釜蓋7号墳のある三叉路から南に進み、坂を登りきったあたりの道路周辺に分布し、8基からなります。主体部は横穴式石室で、側壁に巨石を使用し、後室の天井をドーム状に築いているのが特徴で、笹塚古墳などの大型石室を小型化した構造をしています。舗装道路から西側に5号墳の墳丘が見えていますが、その南50mの薮の中に2号墳があります。径17mの円墳で、墳丘は良好に残っています。横穴式石室は西に開口し、全長7.6m、後室長3.8m、幅1.9m、高さ2.7mの複室構造で、後室はほぼ完璧に保存されています。

2号墳墳丘、良好に残っている

石室正面

前室から後室、やや左側壁が膨らむ

後室奥壁

後室奥から

前室奥から

 5号墳【装飾古墳】は径15mの円墳で、墳丘は比較的良好に残っています。横穴式石室は西南西に開口し、全長6.3m、後室長3.1m、幅2.0m、高さ3.0mの複室構造で、後室は両袖式ですが、右袖石が極端に広くなっています。後室はかなり持ち送って、天井を高く構築しています。羨道右側壁の石材に線刻画が描かれています。外側と手前側の平面に帆と舵を持った二隻の船が描かれていますが、両者は帆の形が違っています。現在、前側の船は土嚢で埋められて、一部しか見ることができません。

5号墳石室正面、左手前の石材に線刻がある

前室から後室

後室奥壁

後室奥壁

外面の船の線刻画

前面の船の線刻画の一部(帆の先端)

 6号墳は5号墳の北50mにある径15mの円墳で、墳丘は削られて楕円形になっています。横穴式石室は南西に開口し、後室長2.4m、幅1.9m、高さ2.0mの複室構造で、羨道はやや破壊されていますが、それ以外は良好に保存されています。前室の袖石がかなり薄い板石を使用しています。

左右とも墳丘が削られている

石室正面

前室から後室

後室奥壁

後室奧から

前室奧から

 7号墳は6号墳のすぐ北の一段高い林の中にあります。径15mの円墳で、墳丘はかなり削られて、横穴式石室の天井石などが露出しています。石室は南西に開口し、全長6.2m、玄室長3.3m、幅2.2m、高さ2.4mの両袖式で、単室構造です。入口は埋まっていますが、側壁と奥壁の一部が開口していて、玄室内部を観察できます。単室で、持ち送りも急なので、群中でも古い石室かもしれません。

石室正面側

側壁が開口

玄室、左側が奥壁

玄室玄門側

 道路の東側に4号墳があります。裏に回ると、農道で墳丘が削られ、石材が露出しています。径11mほどの円墳で、主体部は単室の横穴式石室と思われます。

東西を道路で削られている

露出した石材


兵瀬古墳 【国史跡】【装飾古墳】

 壱岐市芦辺町国分本村触字兵瀬、百田頭古墳群から道路を南に300mほど行くと東側に民家があり、その東の山林内にあります。国史跡ですが、現在墳丘は薮に覆われ、石室も埋め戻されてるのか、開口部がわかりません。径53.5mの二段築成の大型円墳で、斜面がかなり急です。横穴式石室は三室構造で、西に開口し、全長12.36m、後室長2.9m、幅2.48m、高さ2.87m、中室長2.52m、幅1.81m、高さ1.24m、前室長2.7m、幅1.77m、高さ1.47m、後室奥壁の前に組合せ式石棺の側石が二枚倒れ込んでいました。前室左側壁に大小二隻の船の線刻画があるそうです。

薮に覆われた墳丘

石室実測図


鬼の窟古墳 【管理人特選】【国史跡】

 壱岐市芦辺町国分本村触字磐屋森1206の1、県道174号線沿いにあります。径45m、高さ13.5mの大型円墳で、三室構造の壱岐最大の横穴式石室が開口しています。全長16.5m、後室長3m、幅3.3m、高さ3.3m、中室長3.3m、幅2.6m、高さ1.9m、前室長3.2m、幅2.3m、高さ1.9mの規模で、後室には石棺材と思われる2.55m×0.75m×0.13mの巨大な板石が置かれています。各室の玄門にはそれぞれ閉塞石が残っています。六世紀末の築造で、七世紀後半まで追葬が行われていました。

石室開口部

前室の玄門、巨大な閉塞石

前室から中室、閉塞石が倒されている

中室から後室、さらに閉塞石が倒されている

後室奥壁と石棺材

後室奥から

中室奥から

前室奥から

石室実測図


カジヤバ古墳

 壱岐市芦辺町国分川迎触字平原311、県道174号線をコスモ石油のGSの交差点で西へ曲がって300mの道沿いにあります。道路拡幅工事のため、元の位置より5m北へ移築されています。径11mほどの円墳で、主体部は単室構造の横穴式石室です。全長5.7m、玄室長2.1m、幅1.7mの両袖式で、玄門には閉塞石が残っています。閉塞石のために、正面からは入れませんが、左側壁が開口し、立派な玄門も造られています。知らない人が見たら、多分、こちらが正面だと思うでしょうね。

石室開口部

なぜか左側壁が開口、立派な玄門ですな

玄室奥壁

奧から玄門


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