最新考古学の成果、箸墓と同時期の前方後円墳
■京都府向日市寺戸「五塚原古墳第5次、第6次」
2014年10月18日 現地説明会/第5次・立命館大学文学部考古学・文化遺産専攻、第6次・向日市教育委員会・公益財団法人向日市埋蔵文化財センター
五塚原古墳は全長91.2mの前方後円墳で、前方部がバチ形をしており、箸墓古墳との墳形の類似性から最古級クラスと考えられてきました。しかし、遺物がまったく出土しないため、年代的な決め手に欠けていました。今回の調査で、前方部が二段に築かれていて、平坦面が前方部端に向かって高くなっていく「斜路状平坦面」であること、前方部平坦面が、後円部と繋がっていないこと、墳丘が丘陵上を整地して平坦面を築いた上に盛り土で築かれていることがわかりました。これらは、箸墓古墳と同じ構造、造り方であり、しかも他に類例がありません。特に斜路状平坦面は二年前に箸墓古墳の三次元航空レーザー測量による解析で初めてわかった構造であり、しかも、箸墓以後の前方後円墳には、継承されていないことがわかっています。これにより、五塚原古墳が、箸墓とほぼ同時期の築造であることがほぼ確定され、まさに最新の考古学の成果と言えます。
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