鳥取県岩美町東部の古墳


新井三嶋谷墳丘墓

 岩美町新井の岩美南小学校の前にあります。小学校の建設用地内で発見されましたが、弥生後期の墳丘墓2基と古墳後期の横穴式石室1基が現地保存されました。1号墓は24×17mの長方形で、斜面には貼石を並べ、墳頂には埋葬施設が3基ありますが、未調査です。また、1号墓の脇に、横穴式石室が築かれていました。2号墓は墳丘の上に古墳が築かれていたため、墳形は不明ですが、埋葬施設は2基あったようです。

1号墓

1号墓の埋葬施設表示

1号墓北側斜面の貼石

1号墓北側の1号墳横穴式石室

1号墳石室の出土状況

2号墓


高野坂古墳群

 岩美町岩常、県道37号線から西へ登っていく広域農道があります。その途中に高野坂古墳公園があり、そこに10号墳が移築されています。この周辺が第V支群で、ここから東の谷間の広い範囲に古墳31基と横穴墓5基が5群に分かれて分布しています。

 第V支群

 10号墳は、現在地から100mほど北西にありましたが、農道にかかったため、現在の古墳公園に移築されました。下段幅12m、上段幅8mの二段に築成された方墳です。説明板には上方下方墳と書いてますけど??横穴式石室は南に開口する全長8m、幅2mの無袖式で、中高式です。天井石は復元のようです。石室内にはくり抜き式家形石棺が置かれていました。

石室正面、墳丘は貼石で飾る

石室内部

家形石棺

 移築された10号墳から、奧の林の中に入ると、21〜24号墳があります。いずれも、横穴式石室が露出していますが、かなり破壊されていて、林に入ってすぐにある23号墳だけがかろうじて元の形をとどめています。

23号墳、石室横から

23号墳、石室正面

23号墳、石室内部

24号墳、天井石露出

21号墳

22号墳

 公園から農道を挟んで西側の山林の中を登っていくと、11、12号墳があります。いずれも小型の横穴式石室が露出していますが、石室内部は比較的良好に残っています。

11号墳

11号墳、石室内部

12号墳

12号墳、石室内部

 21号墳から旧道をはさんで北側の斜面上に9号墳があります。横穴式石室の天井部が開口し、玄室内にくり抜き式石棺の身が置かれています。入口は埋まっていますが、天井部以外は良好に残っています。

9号墳、天井部が開口

左側壁

玄室奥壁

入口方向、埋まっている

 第IV支群

 古墳公園から広域農道を登っていくと、標識があり、そこから下りていったところに7号墳があります。群中、唯一、横穴式石室が完存しています。石室は玄室中央部の天井が一段高くなっている中高式天井です。

石室開口部

玄室奥壁

玄室奥から、左片袖式

中高式天井

 第III支群

 

 広域農道をさらに登っていくと、第III支群の1号横穴墓、17〜19号墳の標識があります。ここの道路下側に16〜19号墳があります。16号墳は破壊された横穴式石室の石材が露出、17号墳は天井部を失った石室が露出、18号墳も天井部を失った石室が露出しています。19号墳は石室の一部が露出しています。

16号墳、石材露出

17号墳、石室露出

18号墳、石室入口部

18号墳、石室露出

18号墳、玄室奥壁

19号墳

19号墳、石室の一部露出

 標識の向かいの農道に面して1号横穴墓が開口していますが、薮で隠れています。その左奧に3、4号横穴墓がありますが、大きく破壊されています。2、5号横穴墓は位置的に農道に破壊されたと思われます。

1号横穴墓

3、4号横穴墓

 第II支群

 谷間の旧道を東へ下っていき、平地に出た辺りの北側斜面に、6、5号墳があります。6号墳は、天井石が露出、5号墳は石材が散乱しています。

6号墳

5号墳

 第I支群

 旧道を山沿いに進むと、畑の向こうに2号墳(高野坂の家形石棺【町指定文化財】)があります。中高式の横穴式石室が露出していますが、羨道は失われています。玄室長6m、幅1.7m、高さ2.4mの大きさで、玄室内に家形石棺が安置されています。内法で2.2×0.7×0.57mの大きさで、身はくり抜き式、蓋は二枚の組合せ式です。蓋はかなり精巧な造りで、縄掛突起が残っています。残念ながら、石室内に植物が茂って、古墳のお部屋の画像と較べると、見学しにくい状況です。

横穴式石室側面

天井石

玄室内部、家形石棺の片側の蓋が開いている

玄室奥壁

家形石棺の蓋、精巧な造り


<ホームへ戻る>

inserted by FC2 system