鳥取県岩美町西部の古墳


平野古墳群

 岩美町大谷、JR大岩駅の西300mの国道9号線沿いにコンビニがあり、そこから南の谷間に向かって300m進んだ道沿いに露出した石室があります。そこから、背後の山林にかけて、8基の古墳がありますが、確認できたのは6基です。古墳名は5号墳以外は仮称です。

道路脇にある仮称1号墳

石室露出、玄室付近?

 仮称1号墳を挟むようにして、山側にも道があり、分岐点から山側に入ってすぐ右側の薮の中に仮称2号墳の石材が見えています。墳丘は崩壊し、横穴式石室が露出しています。右片袖式で、天井石は1個だけ残っています。

一見、古墳には見えない

石室開口部

玄室奥から

奧から、天井石が1個だけ残っている

 仮称2号墳のすぐ奧に仮称3号墳があります。横穴式石室が露出していますが、羨道と、玄室の前側が破壊されています。玄室奧側は良好に残っていて、中高式天井の様子がよくわかります。玄室は少し埋まっているようです。

仮称3号墳

良好に残る玄室の奧側

玄室奥壁方向、中高式なので、玄門のよう

玄室奥壁

 仮称3号墳から薮の中を少し南へ行くと群中、唯一完存する横穴式石室があります。おそらく、これが「日本の古代遺跡」に出てくる5号墳と思われます。中高式の石室で、左片袖式、奥壁は巨石一枚、天井にも巨石を使用しています。羨道などに切石状の石材が見られます。

石室正面

羨道、切石状の石材

玄室奥壁、中高式天井がよくわかる

玄室奥から

 5号墳から、さらに南へいくと仮称4号墳があります。天井石が露出していて、入口の隙間から内部を覗くと、玄室はわりと良好に残っていそうです。天井は中高式と思われます。

石室開口部、狭くて入れない

石室内部

 仮称4号墳の南に、仮称6号墳があります。横穴式石室の基底部の一部だけが残っています。ここからさらに南に2基あるはずですが、見つかりませんでした。

石室正面より

奧から


小畑古墳群 【管理人推薦】

 岩美町大谷、鳥取市との境に近い丘陵斜面に築かれた古墳群で、大型の横穴式石室を含む8基の古墳からなりますが、2001年に国道9号線バイパスの工事で5基が調査され、調査後、3号墳が隣接地に、5号墳が総合運動公園に移築されています。また、4、6、7号墳は消滅しましたが、7号墳の家形石棺が県埋蔵文化財センターに保存されています。2号墳は未調査、8号墳は178号線の工事で過去に消滅しています。国道9号線から178号線に入ると、すぐ右側に小畑古墳公園があり、ここに3号墳の石室が移築されています。そこから、標識にしたがって、小道を少し入ると、1号墳(穴観音古墳)があります。推定径19mの円墳で、大型の横穴式石室が開口。全長11.3m、玄室長5.5m、奥壁幅1.55m、最高高さ2.9mの右片袖式で、中高式の天井です。県内では有数の規模です。内部には、かつて33体の観音像が安置されていましたが、現在は近くに移され、石室は閉鎖されています。

石室正面

石室内部

玄室奥壁

 国道178号線沿いの小畑古墳公園に、3号墳の横穴式石室と家形石棺【町指定文化財】が移築されています。調査時、墳丘はほとんどありませんでしたが、周溝の状況から、一辺27mの方墳と思われます。石室は全長12mの右片袖式で、玄室に、組合せ式家形石棺が納められていました。

調査時の玄室と石棺底

現状の石室正面

玄室と家形石棺

玄室奥から

 5号墳は、横穴式石室が布勢の総合運動公園内に移築復元されました。一辺23mの方墳で、墳丘には外護列石が石垣状に巡らされています。横穴式石室は全長12.5m、玄室長4.9m、幅2.3m、高さ2.6m、羨道長7.6m、幅2.2m、高さ1.7mの両袖式で、県内最大級。特に最大の天井石は31トンの巨石で、これは大和地方の石室に匹敵します。

調査時の5号墳

巨大な天井石、31トン!

移築復元された5号墳

玄室、中高式天井

玄室奥壁

玄室奥から

 7号墳は一辺20mほどの円墳で、大型の横穴式石室に組合せ式家形石棺が残っていました。石棺は208cm×105cm×92cmの大きさで、身にも縄掛突起が付いた珍しい形態です。古墳は消滅しましたが、石棺は、鳥取県埋蔵文化財センターに保存されています。

調査時の7号墳玄室、掘り下げ前

調査時の7号墳玄室、掘り下げ後

埋文センターに保存されている組合せ式家形石棺

家形石棺横から、身にも縄掛突起がある

 4、6号墳は調査後消滅しました。4号墳は一辺20mの方墳で、外護列石が一段残っていました。横穴式石室は全長11.6m、玄室長5.4m、幅1.43m、羨道長6.2m、幅1.4mの細長い構造です。6号墳は一辺20mの円墳で、外護列石が一段残っていました。横穴式石室は全長13m、玄室長4.85m、幅2.5m、羨道長8.15m、幅1.75mの両袖式です。

4号墳石室正面

4号墳墳丘裾の外護列石

6号墳玄室奥壁

6号墳玄室奥から、両袖式


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