内部施設と外表施設のすべてが残る貴重な前方後円墳


和歌山県和歌山市岩橋・岩橋千塚古墳群前山A58号墳

 2011年4月29日 現地説明会/和歌山県立紀伊風土記の丘

 国特別史跡・岩橋千塚古墳群のうち、A58号墳が整備のための資料を得るため調査されました。その結果、墳丘は全長20m、後円部径14mの前方後円墳で、岩盤を整形した上に礫を多く含んだ盛り土で築かれています。後円部は二段でテラスに円筒埴輪が巡ります。前方部の墳頂平坦面は円筒埴輪により囲まれ、その内側に馬、人物、石見形などの形象埴輪が置かれていました。前方後円墳における埴輪祭祀の様子がわかる貴重な成果となりました。また、主体部は後円部西向きに開口する横穴式石室で、全長4.7m、玄室長2.5m、幅2m、羨道長2.2mの右片袖式です。結晶片岩を積み上げた岩橋型石室で、天井を失い盗掘されていましたが、側壁は完存、玄室には屍床が二つあり、玄室前道には閉塞石もはめられたままでした。石室形態や出土遺物から六世紀前半頃の築造と見られ、大日山35号墳のような首長墓と比べると規模が小さいので、少しランクが下がる人物の墓と思われます。

 

古墳の全景、右が後円部、左端はA38号墳

クビレ部、右が後円部で円筒埴輪列と石見型埴輪検出

前方部墳頂の埴輪祭祀の様子

横穴式石室横から

羨道と玄室前道

奧から袖部、激狭の入口に閉塞石がそのまんま

玄室奥壁


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