和歌山県和歌山市岩橋千塚古墳群

 岩橋千塚古墳群は和歌山市岩橋の紀ノ川河口南岸の丘陵地帯に広く分布する大古墳群で、総数700基以上に達します。いくつかの支群に分かれますが、このうち、丘陵北側に分布する前山A、B支群全域とC、大日山、大谷山支群の一部が国の特別史跡に指定され、現在紀伊風土記の丘として整備公開されています。公園内には見学コースが設けられ、保存状態の良い主要な横穴式石室が内部を見学できるようになっています。 【管理人特選】


岩橋千塚古墳群前山A支群(尾根上付近)

 

前山A2号墳

 A支群の最頂部近くにある径10mの円墳です。墳頂にアクリルの屋根が懸けられて、上部を失った横穴式石室が見学できます。玄室は長さ1m、幅2mの丁字形をしています。

前山A8号墳

 古墳群の散策路を登り、尾根上に出ると、休憩所があります。そこから散策路とは反対側の東方向に林の中へ入っていくと、すぐ右のピークにあります。径15mほどの円墳で、竪穴式石室が2基ならんで露出しています。緑泥片岩の板石を小口積みしています。

A8号墳

竪穴式石室が2基並んで露出

竪穴式石室横から

前山A10号墳

 A8号墳から、南東方向に少し下ったところにあります。径15mほどの円墳で、横穴式石室が露出しています。上部は失われていますが、奧、側壁の石積みは良く残っています。

A10号墳

露出した横穴式石室

奧壁

前山A12、11、9号墳

 A8号墳から、尾根伝いに東へ進むと、順にA12、11号墳、少し離れて9号墳があります。11号墳は墳頂が陥没し、石材が一部見えています。

A12号墳

A11号墳

A9号墳

天王塚古墳

 A9号墳から、尾根上を東へ進み、鞍部を過ぎて、次のピークまで登ると水道タンクがあります。このタンクの奧に隣接していて、現状は竹薮に覆われています。岩橋山の最高地点に築かれた全長86m、後円部径44mの前方後円墳で、三段築成。岩橋千塚での最大規模です。主体部は横穴式石室ですが、現在は埋め戻されています。全長10m、玄室長4.2m、幅2.9m、高さ5.9m!羨道長4.8m、幅1.5m、高さ2.5mの両袖式で、玄室前道、前庭があります。玄室奥壁には石棚があり、上部には八本の石梁が構架されています。石棚は板石二枚を前後にずらせた特異な構造です。玄門と羨門にはそれぞれ閉塞用の板石があり、玄室奥壁に沿って、石棺か石屋形の板石材が散乱していました。岩橋式の横穴式石室としては最大級、玄室高さは、大野窟古墳に次いで国内二位の規模です。

水道タンクの向こうにある

後円部

後円部南側の石室開口部。埋め戻されている

 横穴式石室は、現在埋め戻されていますが、和歌山市立博物館に、羨道の途中から奧側の実物大模型が展示されています。

羨道から玄室前道を通して玄室方向

玄室奥壁、特異な石棚

奧から、玄室前道

異常に高い玄室天井、石梁が八本架かっている


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