和歌山県和歌山市岩橋千塚古墳群

 岩橋千塚古墳群は和歌山市岩橋の紀ノ川河口南岸の丘陵地帯に広く分布する大古墳群で、総数700基以上に達します。いくつかの支群に分かれますが、このうち、丘陵北側に分布する前山A、B支群全域とC、大日山、大谷山支群の一部が国の特別史跡に指定され、現在紀伊風土記の丘として整備公開されています。公園内には見学コースが設けられ、保存状態の良い主要な横穴式石室が内部を見学できるようになっています。 【管理人特選】


岩橋千塚古墳群前山A支群(中腹付近)

 

前山A13号墳

 径18m、高さ3.5mの円墳で保存状態の良い横穴式石室が公開されています。玄室前道を持つ岩橋型石室で、全長5.84m。奥壁には石棚が設けられ、上部には石梁が二本架設されています。

正面

羨道、玄室前道

奥壁

玄門部

前山A17号墳

 一辺15mの方墳で、結晶片岩製の組合せ式箱式石棺が露出しています。長さ2.21mで一部を仕切って副室を設けています。主室からは、直刀、副室からは衝角付き兜が出土しています。

前山A23号墳

 径12m、高さ4.5mの円墳で横穴式石室が北西に開口しています。全長4.8m、玄室長2.2m、幅1.75m、高さ2.6mの両袖式で、床面から1.75mの高さに石棚が、その上に石梁が架設されています。また、側壁には仕切石がもと存在していました。玄室と前道とは床に段差があり、玄門部が閉塞されていたのかも知れません。羨道は現在ほとんど残っていませんが、古い実測図では長さ2.15mで、床が奥に向かって降っています。

正面

羨道、玄室前道

奥壁

玄門部

前山A24号墳

 A23号墳のすぐ上にある径25mの円墳です。横穴式石室は玄室長2.06m、幅1.86m、高さ2.5mの両袖式で、石棚はなく、石梁が1本架設されています。前壁部が開口していて、石梁を間近に見学することができます。

正面

前壁開口部から梁を覗く

奥壁

玄門部

前山A32号墳

 径15mの円墳です。北西に開口する横穴式石室は、全長4.5m、玄室長2.4m、幅2m、高さ2.6mの両袖式で、玄室には仕切石の一部が残っています。石棚、石梁はありません。

石室正面

 

 

奥壁

玄門部

前山A46号墳

 径27m、高さ8mの円墳です。横穴式石室は全長8.8m、玄室長3.34m、幅2.12m、高さ3.4mの両袖式で、前山A支群では最大規模です。石棚1、石梁が4本架設され、排水溝が設けられています。羨道高も2m以上あり、崩落を防ぐため、入り口がコンクリートで固められています(これは森浩一さんも批判しているように印象が非常に悪い)。

正面、コンクリート要塞化されています

羨道部、巨大な扉石あり

玄室

玄門部

前山A47号墳

 A46号墳のとなりにある径12mの円墳です。結晶片岩で築かれた長さ2.04mの竪穴式石室が露出しています。床には板石が敷かれその上に玉石が敷かれています。

  

前山A56号墳

 径13mの円墳です。結晶片岩を積み上げた横穴式石室は全長3.88mの両袖式で、玄室前道の幅が非常に狭く、横向きでないと通れません。

前山A67号墳

 径27mの円墳です。横穴式石室は玄室長3.84m、幅2.3m、高さ3.45mの両袖式で、A支群では46号墳に次ぐ規模です。玄門を化粧石で構築し、玄室内には仕切石で屍床を造っています。天井が高く、石棚、石梁が各1架設されています。

整備された現在の姿

前山A99号墳

 径15mの円墳です。横穴式石室は玄室長1.6m、幅1.8m、高さ2.26m、前道幅0.45m、高さ1.05m、羨道長1.5m、幅0.8mの両袖式で、石棚、石梁はなく、玄室は丁字形です。


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