和歌山県和歌山市岩橋千塚古墳群

 岩橋千塚古墳群は和歌山市岩橋の紀ノ川河口南岸の丘陵地帯に広く分布する大古墳群で、総数700基以上に達します。いくつかの支群に分かれますが、このうち、丘陵北側に分布する前山A、B支群全域とC、大日山、大谷山支群の一部が国の特別史跡に指定され、現在紀伊風土記の丘として整備公開されています。公園内には見学コースが設けられ、保存状態の良い主要な横穴式石室が内部を見学できるようになっています。 【管理人特選】


岩橋千塚古墳群前山B支群

前山B32号墳

 天井部を失った横穴式石室が露出しています。両袖式の玄門が観察できます。

前山B36号墳

 風土記の丘資料館の敷地内にあった古墳ですが、発見時すでに上部を削平されていて、現在は石室の基底部が資料館の地下に移築保存されています。結晶片岩を小口積みし、玄室前道を持つ岩橋式では典型的な構造です。

羨道部

玄室奥より

前山B53号墳(将軍塚)

 前山B支群の尾根中央に位置する全長42.5mの前方後円墳です。前方部と後円部にそれぞれ横穴式石室がありますが、前方部は埋められています。後円部の横穴式石室は全長6.48m、玄室長3.32m、幅2.23m、高さ4.3mの両袖式で、前山B支群では最大規模です。背の高い玄室には石棚1、石梁1が架設され、羨道と、羨門前には扉石が立てかけられています。

正面、コンクリート要塞化されています

羨道部、巨大な扉石あり

玄室

玄門部

前山B67号墳(知事塚)

 将軍塚の西80mの尾根上に位置する全長30.5mの前方後円墳で、北側くびれ部に造り出しがあります。主体部は、後円部に岩橋型の横穴式石室、くびれ部に残存長2.6m、幅1.3mの畿内型の横穴式石室、前方部に長さ1.9m、幅0.45mの竪穴式石室が確認されています。後円部石室は西向きで、玄室長2.4m、幅2.05m、高さ3.4mの規模で石棚1と、仕切石があり、玄門には扉石が立てられたままの状態でした。現在はすべて埋め戻されて見学できません。

前山B112号墳(郡長塚)

 知事塚の西80mに位置する全長30mの前方後円墳です。横穴式石室は西北に開口し、全長7.67m、玄室長2.63m、幅2.03m、高さ3.3mの両袖式で、石棚1、石梁1があり、仕切石が残っています。現在は埋め戻されて見学できません。

前山B113号墳

 群長塚から散策路を挟んで下側の尾根にあります。小型の横穴式石室の天井がなくなっていますが、両袖式の玄門から前は完存。羨道を覗くと、何と、閉塞石の扉がそのまま残っています。

前山B120号墳

 主体部はごっそりと抜かれて、石材が散乱しています。

 

前山B123号墳

 天井部を失った石室が露出していますが、玄室が極端な横長で、L字形をしています。

石室正面

玄室奧から

前山B135号墳

 玄室は崩壊して石材が散乱、羨道のみ残っています。

 

前山B147号墳

 天井部を失った石室が露出しています。

 


岩橋千塚古墳群大日山支群

大日山35号墳

 大日山頂上に位置する全長96m、和歌山県最大の前方後円墳です。後円部の横穴式石室は古くから開口し、大日如来が安置されています。玄室長4.33m、幅2.3m、高さ2.85mの両袖式ですが、前道は不明瞭です。石棚1と水平梁1が架設されています。最近の調査で円筒埴輪、形象埴輪が大量に出土しました。石室は残念ながら施錠されて、見学できません。

墳丘、左が前方部

石室入り口

 2008年の墳丘の整備終了に伴い、横穴式石室が公開されました。

前方部から後円部

鳥形埴輪の出土した南側クビレ部の造出し

石室奥壁、中央に大きな石棚

奧から、左右長さの違う両袖式


岩橋千塚古墳群大谷山支群

大谷山22号墳

 大日山の北にある大谷山頂上に位置する全長80mの前方後円墳です。後円部に大型の横穴式石室が開口、玄室長4.1m、幅2.5m、高さ3.15mの両袖式ですが、左袖部がかなり狭く、玄室前道も短いので、前山支群の石室よりは早い段階の構築と見られます。玄室には石棚と水平梁が架設され、高い空間を築き始めた頃の代表的な石室です。

石室開口部

羨道

玄室奥壁の巨大な石棚

玄門部、極端に偏った両袖式


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