静岡県伊豆の国市(旧伊豆長岡町、大仁町)・函南町の古墳
■北江間横穴群大師山支群 【管理人推薦】【国史跡】
伊豆の国市(旧伊豆長岡町)北江間の山麓一帯には多くの横穴墓群がいくつかの支群に分かれて分布しています。その最も西の千代田団地麓に大師山支群があり、道路沿いに標識が出ています。10基からなり、そのうち、1号墓は内部に独立したくり抜き式家形石棺を安置、2号墓は奥壁に沿って作りつけの石棺があり、家形の蓋が乗せられています。8号墓は両側壁に沿って二つの石棺が作り付けられています。これらは横穴墓としては規模も巨大で、多様な石棺の形態を持ち、非常に特色のある横穴墓群です。保育社「日本の古代遺跡 静岡」にもカラーで紹介されています。
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伊豆中央道のトンネル出口の東側に大北支群があります。七世紀後半〜八世紀中頃に築かれた48基からなり、A〜Cの三小支群に分かれます。土葬から火葬へ変化していく様子が見て取れます。麓のC小支群は小型の横穴墓が密集しています。
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西側のA小支群は上部に大型の横穴墓があり、3号墓は奥行き6.7mの最大規模、2号墓では作りつけの石棺があります。また、32号墓は墓道が良好に残り、入口には扉をはめる溝が残っています。
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北側のB支群は、超小型の横穴墓が多く、火葬専用と思われます。一部の内部に火葬骨を納めた石櫃が残っていて、24号墓の石櫃(国重要文化財)には、「若舎人」の銘が刻まれています。
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伊豆の国市長岡、長岡リハビリ病院の西100mの山裾にあり、道路に標識が出ています。元々くり抜き式家形石棺が露出していましたが、元の場所が危険な状態であったため、石棺が現在地に移設されました。身は2.3×1.5×1m、蓋は高さ0.88mと大型です。身の前面に四角い穴があり、オリジナルのものかは不明です。一部に加工痕が明瞭に残っており、内部は精巧に加工されています。身の横に積まれた石材は裏込石でしょうか?
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伊豆の国市(旧大仁町)守木の丘陵上にある立花団地の南側斜面にあります。道路沿いに標識があり、そこから少し下ったところです。6基からなる群集墳ですが、4号墳のみ調査後整備公開されていて、東に隣接してもう1基、天井石が露出しています。4号墳は径14m、高さ3mの円墳で、幅の狭い石室いっぱいに組合せ式家形石棺が置かれていました。石室前面の石材はそのまま外護列石に繋がっています。
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函南町柏谷の住宅地に隣接する柏谷公園内とその周辺の東西600m×南北250mの範囲に141基確認されていますが、推定で300基以上はあったようです。公園内の一群が国史跡に指定されて整備されています。公園奥の谷間を囲むように崖一面に横穴が残っていますが、これだけ大規模で保存状態が良い横穴群はなかなかありません。内部はきれいなドーム状の天井に加工されていて、一部には龕(がん)状の彫り込みがある横穴もあります。
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