和歌山県海南市(旧海南市・下津町)・有田市・有田川町(旧吉備町)の古墳


■海南市(旧海南市)

室山1号墳 【管理人推薦】

 県史跡。旧海南市黒江の尾山尾根筋に7基からなる室山古墳群が分布します。1、2、5号墳が横穴式石室、4、6号墳が竪穴式石室を持ち、県史跡に指定されている1、2号墳が見学路が整備されています。東に隣接する黒江団地から登り道があり、1号墳は登り口から10分ほど登った中腹の平坦地にある径20m、高さ4mの円墳です。横穴式石室は南に開口。緑泥片岩の割石を丁寧に積み上げた全長7m以上の両袖式で、前道入り口に扉石が残っています。玄室は前後2枚の石棚を設けて、さらに高さ3mの空間を4本の石梁で支えています。

石室正面

羨道部から奥壁、丁寧な石積みが印象的

玄室奥壁、石棚と石梁

奥から玄門部、扉石が見える

室山2号墳 【管理人推薦】

 県史跡。1号墳からさらに登った山頂にあり、隣には3号墳があります。径15mの円墳で、南に横穴式石室が開口、全長5.9m、玄室長2.8m、幅1.8m、高さ2.5mの両袖式で、緑泥片岩の割石を積み上げています。玄室は持ち送りが急で、奥壁の石棚と、2枚の石梁で広い空間を支えています。

石室正面

羨道部から奥壁、玄室内には水が溜まっています

玄室奥壁

玄室天井、石棚と石梁


■海南市(旧下津町)

女良1号墳 【管理人推薦】

 県史跡。旧下津町大崎の集落の奥まった場所にあります。丘陵斜面に築かれた径15mの円墳で、横穴式石室が南に開口、玄室長2.49m、幅2.11m、高さ2.76mの両袖式で、奥壁に石棚を架設しています。玄門部は袖石とマグサ石で仕切り、さらに敷石が敷かれています。羨道は天井石が失われていますが、当初からなかったのかも知れません。閉塞石が一部残っています。

石室正面、羨道天井石は失われている

玄室奥壁、石棚が高い位置にある

奥から玄門部、敷石も含め、きっちり造られている


■有田市

箕島1号墳(一本松古墳)

 有田市箕島町一本松、JR箕島駅北西の山沿いにあるハイツポーラリス西側からミカン畑を登り始めると、すぐ西にある尾根先端にケーブル支柱があり、その下に石室天井部が露出しています。墳丘は明瞭ではありませんが、径12mの円墳で、横穴式石室は斜面をL字に1.8m掘り込んで、緑泥片岩の割石を小口積みした玄室前道を持つ岩橋型です。6世紀中頃の築造で、岩橋型としては南限の古墳です。全長4.5m、玄室長2.8m、幅1.4m、高さ2.4m、羨道長2.14mの両袖式で、羨道から奥壁に向かって床面が傾斜しています。

ミカン畑の中に天井石だけが見えている

石室内部

宮原古墳(三王塚)

 有田市宮原町滝、南に突き出した有田川をのぞむ尾根上、標高90mのミカン畑の中にあります。水道タンクからさらに高い位置ですが、墳丘はすでに失われ、露出した天井石がミカン畑の中に完全に埋もれているため、案内がないと、たどり着くのは困難です。1979年に調査された結果、主体部は南西に開口する両袖式の横穴式石室で、全長5.85m、玄室長2.9m、幅2.3m、高さ3m、羨道長2.2m、幅1m、玄室前道を持つ岩橋型です。玄室天井は前後の石材を迫り出して構築しており、奥壁には2.1mの高さに石棚が設けられています。

ミカン畑の中に露出した天井石、石室内部は埋没

古墳付近から有田川を望む


■有田川町(旧吉備町)

泣澤女の古墳(天満1号墳)

 県史跡。旧吉備町天満の天満藤並神社の境内にあります。墳丘が流失して石室が露出していましたが、現在は復元されています。径21〜23mの円墳で周囲に幅3mの周濠が巡ります。南に開口する両袖式の横穴式石室は、玄室長3.6m、幅、高さともに2.4m。羨道長4mの両袖式で、巨石を使用した有田川流域最大の石室です。木棺が主軸に直交して置かれていて、出土した永久歯から被葬者は12歳頃の女性と見られています。羨道に柵があり、玄室内には入れません。境内にはほかにも古墳がありますが、わずかなマウンドがある程度です。


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