宮城県角田市


大久保古墳群

 

 角田市尾山字大久保14-2、県道272号線から川を渡り、下山公民館の北東100mの民家から庭先を通らせてもらって、さらに200mほど登っていった南斜面にあり、6基の円墳が確認されています。うち、5号墳は「エゾ穴」と呼ばれ古くから横穴式石室が開口していましたが、調査後、埋め戻されてしまったようです。また、1、6号墳も調査され、横穴式石室が検出されています。1号墳は径15mで周溝が巡ります。横穴式石室は玄室長3m、幅1.3m、奧・側壁以外は失われていました。1号墳のすぐ下に2号墳があります。

最も高い位置にある1号墳

1号墳横穴式石室

2号墳

 5号墳は径12mで周溝が巡り、墳丘裾に二段の石積みがありました。横穴式石室は玄室長3.5m、幅1.6m、高さ2.1m、羨道長1.4m、幅1.3m、高さ1.5mの両袖式で、さらに前庭部が残っていました。宮城県内では数少ない状態の良い石室ですが、残念ながら、平成七年に入口が埋められてしまいました。

5号墳、石室正面

袖部

玄室奥壁

 6号墳は径12mで周溝が巡ります。横穴式石室は玄室長4.6m、幅1.4m、玄門部はなく、かなり破壊された状態でした。

6号墳

6号墳横穴式石室


横倉古墳群

 角田市横倉字馬場内〜花島川端、南北に2kmにわたって連なる丘陵上に分布する古墳群で、91基からなりますが、現存するのは48基です。横倉小学校となりの横倉自治センター横に地図があります。小学校の南側の丘陵上に7、8、9号墳があります。そろばん教室の横から登っていった尾根上にある8、9号墳は小円墳で、その先の林の中に7号墳(吉ノ内古墳)があります。全長70m、後円部径40mの前方後円墳で二段築成、五世紀中頃の築造です。

7号墳

8号墳

9号墳

 横倉古墳群のうち、宅地開発で消滅した松崎古墳の石棺が、角田市郷土資料館に保存されています。松崎古墳は径13mの円墳で、調査時、すでに墳丘は失われていましたが、組合せ式箱式石棺を主体部とする墳丘を上下二段に積み重ねた特異な構造だったことがわかりました。石棺は花崗岩製で内部は赤く塗られていました。

下層の石棺

石棺内部、朱塗りされている


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