京都府亀岡市西部の古墳


加舎西山古墳群

 亀岡市本梅町西加舎、西加舎の集落の北はずれの山麓に牧場があり(廃墟だと思ったら、牛がいた)、牧場から背後の山林にかけて分布する15基からなります。牧場の入口すぐ、小さな池の北側付近に1号墳があったと思われますが、現在は石材が放置されています。右の方に進み、廃屋の北側にも石材が放置されていて、15号墳の跡地と思われます。

1号墳?の石材

15号墳?の石材

 放牧地を通り過ぎて、北側の山林の中に突入し、右手の方に進むと最も保存の良い10号墳があります。径11mの円墳で、横穴式石室が開口。全長7.2m、玄室長2.9m、幅1.8m、高さ2m以上、羨道長4.3m、幅1.2m、高さ1.5mの両袖式で、小型の石材を高く積み上げています。玄室は天井石が失われ、土砂が流入しています。

10号墳石室正面

10号墳羨道

玄室奥壁

天井から玄門部

 10号墳の北側に仮称11号墳があります。山道で墳丘が破壊され、南側の陥没穴に石材が少し見えています。そこから西へ進むと仮称13号墳があります。横穴式石室の下半分が露出。玄室長4m、幅1mほどで持ち送りがあり、羨道部は崩壊しています。その南側にある仮称7号墳は、石材が散乱しています。

仮称11号墳

仮称7号墳、石材散乱

仮称13号墳玄室

仮称13号墳玄室左側壁

赤熊古墳群

 亀岡市東本梅町赤熊、赤熊集落の奧の山裾に広く分布する古墳群で、現存23基からなります。大きく三つの支群に分かれ、東端の墓地周辺に1〜8号墳、中央の登山道沿いに9〜17号墳、西端のため池周辺の山林内に18〜23号墳があります。

 墓地周辺の支群

 集落から墓地へ向かうと、墓地入口の左の山林内に8号墳があります。径16mの円墳で、墳丘の状態は良好です。石室は奥壁側の隙間から覗けますが、全長5m、玄室長3.6m、幅2.3m、高さ2m以上、羨道幅1.4mの両袖式で、完存していそうです。

8号墳の開口部、狭すぎ

石室内部

 墓地の南側に1〜7号墳がありますが、鹿避けフェンスを避けるため、西側から回っていきます。フェンスの手前に、1号墳と思われる小さなマウンドがあります。径11mの円墳です。フェンスを超えて山林の中へ入っていくと、2号墳の天井石が露出しています。全長3.8m、玄室長2.8m、幅1.4mの右片袖式です。東隣りの3号墳は径15.8mの円墳で、天井石が2個露出しています。さらに隣の4号墳は径11.7mの円墳で、墓地に一部削られています。石材が一部露出しています。4号墳と5号墳との間に、遺跡地図にはない小円墳があります。

1号墳?

2号墳

2号墳石室内部

3号墳

4号墳

4号墳と5号墳の間にある小円墳

 4号墳の隣の5号墳は墳丘が流出し、天井石が露出しています。6号墳は径10mの円墳で、石材が散乱しています。7号墳は墳丘中央が大きく陥没しています。

5号墳

6号墳

7号墳

 登山道沿いの支群

 集落中央の道を南へ進み、山林の中へ入っていくと、林道に一部破壊された墳丘があり、その辺りの山林内に9〜17号墳は群集しています。西側の林の中に入ると、北端の9号墳は径10mの円墳で、横穴式石室の天井石が露出しています。隣の10号墳は、径11.4mの円墳で、石室が露出。長さ4.3m、幅1.45mの片袖式です。11号墳は径8.5mの円墳で、石材が1個露出。12号墳は小円墳で、中央が陥没。13号墳は径7mの小円墳で、倒木に覆われています。

9号墳、天井石露出

10号墳石室正面

10号墳玄室奧側から

11号墳、石材露出

12号墳

13号墳

 14号墳は、径9mの円墳で、支群中、唯一横穴式石室が完存しています。サイズは3m×1.2mの無袖式です。その隣り、林道に墳丘を削られた17号墳は径9.8mの円墳で、石材が散乱しています。林道を挟んで向かいにある16号墳は径8.3mの円墳で、石室の天井石が露出しています。林道を少し戻った15号墳は林道に墳丘の半分を削られた径10mの円墳で、石材が露出しています。

14号墳、小さな石室が完存

14号墳石室内部

17号墳

16号墳、天井石露出

15号墳

 ため池周辺の支群

 林道沿いの支群から山沿いに西へ林の中を突き抜けると、18〜21号墳が並んでいます。手前から21号墳は径9.8mの円墳で、陥没した墳頂に石材が散乱しています。隣の20号墳は径14.7mの円墳で、天井石が正面と天井部で露出。内部はほとんど埋まっていますが、保存は良さそうです。19号墳は径11mの円墳で、石材が散乱しています。18号墳はかなり破壊され、小さな石室が露出しています。

21号墳、墳頂陥没

20号墳、石室正面の天井石

20号墳石室内部、墳頂の隙間から

19号墳

18号墳石室露出

 21号墳からすぐ西の薮の中に22号墳があります。径9.2mの円墳で、陥没坑に石材が散乱しています。山裾をさらに西へ100mほど進むと23号墳があります。径15mほどの円墳で、群中では大きな横穴式石室が開口。羨道天井部から入室可能です。全長6.4m、玄室長3.7m、幅1.9m、高さ2mの左片袖式で、小型の石材を持ち送ったオーソドックスな造り。8号墳とよく似ています。

22号墳

23号墳、石室正面

23号墳玄室奥壁

23号墳奧から


<ホームへ戻る>

inserted by FC2 system