保存状態の良い竪穴系横口式石室見つかる


兵庫県豊岡市上佐野・上佐野1号墳

 2012年11月03日 現地説明会/(公財)兵庫県まちづくり技術センター 埋蔵文化財調査部

 北近畿豊岡自動車道の建設に伴い、調査されました。高い尾根上に築かれた径16mの円墳で、周溝が巡ります。主体部は横穴式石室で、南の山側を向いています。全長7m、玄室長4m、幅1.5m、高さ1.8mの左片袖式で、石材は小型で不揃い、側壁は持ち送っています。全体的に粗雑な造りです。特徴的なのは羨道入口に0.7mの段差があり、石材で仕切っています。このような竪穴系横口式石室は近くの古墳群でも類例が見られます。須恵器が多く出土し、六世紀後半の築造で、七世紀中頃まで追葬されていたと考えられます。調査後は解体される予定です。

石室の正面方向(山側)

横穴式石室入口

石室の玄室奥壁方向、礫も残る

左袖石と羨道の段差


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