兵庫県加西市北部の石棺群


小谷地蔵堂阿弥陀・六地蔵石棺仏(よばりこき地蔵) 【加西市指定文化財】

 加西市北条町小谷、山裾の市道沿いにあり、大きな看板があるのですぐわかります。「よばりこき地蔵」と呼ばれ、子どもの寝小便に効験があるらしいのですが、彫られているのは阿弥陀如来座像です。左右に計六体の地蔵立像も彫り出された鎌倉時代の秀作で、康永四年(1345)の銘があります。素材は高さ170cm、幅111cm、厚さ20cmの家形石棺蓋で、地元産の高室石製です。隣りにも小型のくり抜き式石棺の身を使った阿弥陀如来座像石棺仏が置かれています。 大きさは71.5×56.0×30.0cmです。

小谷地蔵堂

大小二体の石棺仏

横から、家形石棺蓋とわかります

もう一体の石棺仏


今善寺六地蔵石棺仏

 加西市畑町、集落の北の奧にある高峰神社から東へ山道を登っていった先の今善寺(無人)境内にあります。お堂の奧の墓地にあり、上部が破壊されていますが、彫刻は良く保存されています。72×42×10cmの組合せ式石棺の短側石に上下二段に分けて地蔵菩薩立像を刻んでいます。室町中期頃の作です。

墓地の傍らにある

状態の良い六地蔵


畑町グランド石棺群

 加西市畑町の高峰神社から、上記の今善寺に向かう山道の途中の畑町グランドの片隅にあります。今善寺から神社に戻る途中にあるグランドに何気なく目をやると、何と、隅っこに5基もの石棺材が何の説明もなく置かれていて、狂喜しました。大型の底石2、家形石棺の蓋石3基で、大きさの違いから、蓋と底がマッチするものはなさそうです。かつては近くで橋として利用されていたものを集めたそうです。近くの古墳から出土したものと思われますが、兵庫県遺跡地図では、この辺りは古墳が少ない地域です。多くの古墳が、早くに破壊されたのかも知れません。

  石棺密度MAXIMUM!

左端の大型の底石

家形石棺蓋石

小型で薄い家形石棺蓋石

小型で肉厚な家形石棺蓋石、半壊

右端の大型の底石


畑町墓地・阿弥陀種子石棺板碑

 加西市畑町、上記の畑町グランドの南200mの山裾斜面の林の中に古い墓地があり、その中に倒壊した状態で置かれています。荒れていて、場所はわかりにくいです。石棺の側石に阿弥陀を種子で刻んだ板碑と思われますが、彫刻した面が下を向いている?ので、見ることができません。57.0×68.0×14.0の大きさです。

 


畑町墓地石棺群

 加西市畑町、中国自動車道加西SA上り側のすぐ北にある墓地(上記の畑町墓地とは違う場所)に組合せ式家形石棺の蓋と底石がそれぞれ転用されています。墓地入口の小石仏列の隣りに家形石棺蓋石が置かれています。110×66×18cmの大きさで、くり込みはなく、すっきりしたデザインです。少し奧の大きな地蔵石仏の手前に底石が供物台として置かれています。95×61×10cmの大きさで、全周に段がついています。

手前に蓋、奧の地蔵石仏前に底石

家形石棺蓋

地蔵石仏前の底石

地蔵石仏前の石


広原地蔵石棺仏

 加西市広原町、県道交差点から北東方向へ1本細い通りを入った道沿いにあります。家形石棺の蓋に地蔵立像が彫られていますが、かなり磨滅していて、石材も大きく破損して、後ろに倒れかかっています。裏側を見ると家形石棺蓋の形がわかります。101.0×82.0×29.0cmの大きさで、南北朝頃のものと思われます。

石仏はかなり磨滅

横から、家形石棺の蓋とわかります


佐谷石棺仏

 加西市佐谷町、広原石棺仏の北東500m、山沿いの市道脇の斜面に家形石棺の蓋石がもたれ掛かっています。あまりにもさりげなく存在するので、すぐにはわかりませんでした。供物があるので、石棺仏と思われますが、完全に磨滅してしまって、その中身はわかりません。四辺には退化した縄掛突起が残っています。178.0×112.0×17cmの大きさで、かなり薄いです。

道路沿いに突然出現

石仏はかなり磨滅


佐谷東石棺群

 加西市佐谷町、佐谷公民館の北200mの三叉路に石碑が建っていて、その後ろに石棺の底石が置かれています。道路側からは見えないので注意。側壁を組み合わせるための溝が明瞭に残っています。ここから山側に向かう道のすぐ先に小さなお堂があり、その前の溝に石棺材の小さな橋がかかっています。中央が窪んでいるので、家形石棺の蓋石と思われます。この橋を渡って右側の樹木の下にも家形石棺の破片が置かれています。

知らなければ絶対わかりません

溝が良く残り、保存状態は良好

すぐ先の小堂の前、橋として現役です

左の写真の右側の樹の下にある蓋石


佐谷墓地石棺

 加西市佐谷町、穴塚古墳群のすぐ北東の林の中に墓地があり、その手前の広場に石棺材を転用した供物台が置かれています。天板は150×83×22cmの家形石棺の蓋を上下逆に起き、その下の二本の足は組合せ式石棺の短側石を割ったものが使用されています。足材には溝や段が残っています。

蓋石を逆さにして置く

溝の残る足材

片方の足材には、段が加工されている


延寿寺阿弥陀六地蔵石仏

 加西市中富町、集落の中にある延寿寺の本堂裏にあります。114.0×77.0×17.0cmの大きさで、南北朝頃の作風で阿弥陀座像と六地蔵、供養者夫婦が彫り出されています。側石と思われますが、石棺材という決め手がありません。

 

磨滅しているが堂々とした作風。

裏から


ヤクチ4号墳石棺

 加西市満久町の加西市北部公民館に有ります。元々は大内町に存在したヤクチ4号墳の横穴式石室から出土した組合せ式家形石棺で、調査後古墳が破壊されたため、石棺のみ現在地に復元移築されました。蓋石は97×64×14cm、底石は105×86×11cmの大きさで、側壁の高さは43cmです。

標準的な組合せ式家形石棺

側面から


青野町石棺

 加西市青野町、青野運動公苑アオノゴルフコースの西に隣接したため池の西側の竹林の中にあります。古墳状の小さなマウンドの上に立てかけられた組合せ式石棺の底石で、109×83×16cmの大きさ。四辺に溝が彫られ、緑色の苔に覆われた美しい石棺材です。兵庫県遺跡地図では、この地点は古墳とはされていません。

古墳かどうかは不明

正面から


大日寺阿弥陀石棺仏

 加西市指定文化財。加西市野上町8の大日寺境内にあります。141×80×24cmの家形石棺の蓋石の内面に阿弥陀座像が彫り出されています。南北朝頃の作風で、二重円光背や蓮華座などを大きなスケールで描いています。

  左端が石棺仏

石棺内面を目一杯使っている

裏側(蓋石の表側)


春岡寺阿弥陀石棺仏

 加西市指定文化財。加西市池上町の春岡寺境内にあります。180×107×32cmの大型の家形石棺の蓋石の内面に阿弥陀座像が彫り出されています。なかなか造形の優れた阿弥陀座像で、保存状態も良く、鎌倉後期の石棺仏としては有数のものです。下半分が破損しているのが惜しまれます。

 

見事な造形だが、下半分はかなり破壊されている

裏側、縄掛突起は良好に残る


山田町石棺

 加西市山田町、県道79号線和泉東交差点から北東方向の谷間の最奧に小さなお堂があります。その建物の東に家型石棺の蓋石が立てられています。また、その向の斜面にも底石の破片が置かれています。蓋石はかなり薄く、裏には浅いくり込みがあり、完存しています。

 

家形石棺蓋石

底石の破片


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