和歌山県紀の川市(旧貴志川町・打田町)の古墳


■旧貴志川町

北古墳群 【管理人推薦】

 市史跡。旧貴志川町北1200番地、国道424号線から関西電力の変電所へ通じる道へ入り、登りにさしかかったあたりの左側の墓地に1〜5号墳、南50mの位置に6号墳があります。1号墳のみ緑泥片岩の割石で築かれた横穴式石室が開口していて、屋根で保護されています。玄室長2.6m、幅2m、高さ2.4mで持ち送りが著しく、1mの高さに石棚が設けられています。

1〜5号墳、全体が墓地となっている

1号墳羨道から玄門をみる。

1号墳奥壁、石棚を架設

1号墳、奥から玄門部

丸山古墳 【管理人推薦】

 県史跡。旧貴志川町上野山257、貴志川中学校の南にあります。5世紀中頃の径40mの円墳で、周濠を巡らせています。墳頂に緑泥片岩で造られた組合せ式石棺が露出しています。長さ2m、幅0.8mで、蓋には縄掛け突起があり、副室が設けられています。

墳頂の石棺、左に蓋がはずされた副室がある

石棺内部、緑泥片岩の組合せ式

三昧塚古墳

 旧貴志川町神戸、和歌山電鉄貴志駅のすぐ北の県道沿いにあります。五世紀中頃の径40mの円墳ですが、周囲の水田の様子から前方後円墳の可能性もあります。

 

罐子塚古墳

 市史跡。旧貴志川町神戸970、わかやま電鉄貴志駅の西の上位段丘上に立地する5世紀中頃の径40mの大型円墳です。周囲の水田の状態から、幅10mの周濠が巡っていたようで、現在も一部残って、水を湛えています。主体部は粘土槨と思われます。なお、貴志駅では、大人気のたま駅長に逢うことができます(日曜は休み)。

鑵子塚古墳

たま駅長は左奧で睡眠中、右は助役のミーコ

双子三昧塚古墳

 市史跡。旧貴志川町長原557、平池の北側にある前方後円墳です。全長42.4m、後円部径23.4m、前方部幅32mの規模で、出土品がまったくないので時期は不明ですが、形態から見て、後期の築造と見られます。

 

平池古墳群

 旧貴志川町長原、平池緑地公園内に前方後円墳1、円墳2基が分布しています。池の周囲は野鳥観察のメッカで、最近公園として整備され、見学し易くなりました。

 

 1号墳 長さ31.5mの前方後円墳で、墳丘はほとんど削平されています。周囲に周溝がめぐり、東側に土橋が設けられていました。主体部は不明ですが、埴輪、須恵器が出土しており、六世紀中頃の築造と見られます。

 

 2号墳 現在、池の中に島として浮かんでいる長径31.5mの楕円形墳です。横穴式石室の一部が露出しているそうですが、残念ながら、古墳に近づくことができません。周囲には土橋を残した周溝が巡っていました。1号墳に続く六世紀末の築造です。

  右が2号墳、左奧に3号墳

 3号墳 南岸にある径17mの円墳で、周溝が巡ります。最も古い五世紀末頃の築造です。

 

上瑞古墳

 旧貴志川町の鳩羽山山頂から南に延びる尾根筋の中腹にある終末期の古墳ですが、かなりの高所にあり、案内者がいないと行き着くのは困難です。墳丘はほとんど流失し、横穴式石室も崩壊して基底部だけが残っています。現状で長さ2m、幅1mくらいの規模です。

正面より

背後より

七ツ塚古墳群

 旧貴志川町北端、和歌山市との境界にあたる鳩羽山(明楽山)の山頂三角点(標高265.4m)から南へ50mほど下った緩斜面に2号墳の石室があり、そこから1〜8号墳が西から東へ並んでいます。上瑞古墳からさらに高所にあります。石室はすべて結晶片岩の割石で築かれていて南南東に開口していますが、完存しているのは8号墳のみです。

 1号墳

 径15mの円墳で、横穴式石室は奥壁付近を除いて上部が破壊されています。全長3.8m、玄室長1m、幅1.3m、高さ1mの規模で結晶片岩を小口積みしています。

正面より

奥壁

 2号墳

 1号墳のすぐ上にある径7mの円墳です。石室は基底部のみ残存。現存長1.8m、幅1.3m、高さ0.8mの小型石室で、奥壁、側壁とも結晶片岩を立てて築かれています。

正面より

背後より

 3号墳

 1号墳の東20mにあります。径15mの円墳で、内部は土砂で埋まっていますが、玄室長2m、幅1.9m、高さ1.4m、の両袖式で、側壁の上部と奥壁が内側に傾斜しています。玄室前道があるようですが、埋まっていてよくわかりません。過去の実測図には、天井石が4枚ありますが、現状では奥壁側の1枚しかありません。他は庭石にするために持ち去られたということです。

正面より

背後より

 4〜7号墳

 3号墳の西に4号墳、東に5、6、7号墳がありますが、いずれも石室の残りは良くありません。

4号墳、石材が散乱

5号墳、石材の一部が露出

6号墳、半壊した小石室が露出

7号墳、半壊した石室が露出

 8号墳

 古墳の前に標柱が建っています。径13mの円墳で、唯一完存する横穴式石室は、全長5.4m、玄室長2.2m、幅1.9m、高さ1.5m、羨道長2.4m、幅0.7mの両袖式で、袖部が玄室前道を形成している岩橋式石室です。結晶片岩の割石を積み上げていますが、積み方にやや粗さを感じます。

石室正面

羨道より玄門部

奥壁

玄門

 11号墳

 8号墳のやや山頂よりにあります。墳丘は不明瞭ですが、石室がわずかに見えています。内部は完全に埋まっています。

具束壷古墳群

 旧貴志川町岸宮、上記鳩羽山山頂から東に1kmほど尾根道を進むと、貴志川ゴルフ場に突き当たります。そのすぐ手前の少し南斜面にあります。現存3基で、いずれも半壊した横穴式石室が露出しています。

 1、2号墳

 西側に1、2号墳が隣接しています。1号墳は径10mの円墳で、横穴式石室は玄室長1.89m、幅1.17m、羨道幅0.61mの規模で、袖部には両側に袖石を立てています。2号墳は、ほぼ同じ規模で、現在水が溜まっています。

1号墳玄室奥壁

1号墳玄室、奥から袖部

2号墳玄室奥壁

2号墳玄室、奥から袖部

 3号墳

 1、2号墳の20m東にあり、標識が建っています。径8mの円墳で、横穴式石室は玄室長1.9m、幅1.15m、羨道部は斜面が崩れて、すでに消失しています。構造はほとんど同一です。

3号墳

3号墳玄室


■旧打田町

八幡塚古墳

 旧打田町下井阪、JR和歌山線下井阪駅の南500mの県道沿いにある径20mの円墳ですが、現状はかなり改変されています。調査の結果、横穴式石室と箱式石棺が1基ずつ発見されています。石室は現在埋め戻されていて、石材が少し見えていますが、玄室長3m、幅2.5m、高さ2.5m、羨道長1.4mの規模で、石障、石棚を持ちます。

三昧塚古墳群

 旧打田町中井阪、八幡塚古墳の東100mにあります。元、墓地でしたが、古墳群がそのまま天然記念物の椿の自然林となっていて、花のシーズンには大変美しい光景になります。現状で、6基の古墳が確認でき、4号墳が全長30mくらいの前方後円墳と見られ、それ以外は径10〜20mの円墳です。全体に保存状態は良くありませんが、3号墳に石材が露出しています。

椿の木の下に残る古墳群

4号墳、前方後円墳と思われます

3号墳

3号墳に露出している石材


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