湖南市園養山古墳群A支群北地区


 園養山古墳群は、湖南市三雲の園養山東山麓に位置する群集墳で、現在190基の古墳が確認されていますが、実際には200基を越えると思われます。大きく4支群に分けられますが、ほとんどが尾根筋に沿って築かれているため、尾根毎にさらに小さな支群に分けられそうです。古墳の数が多いため、横穴式石室が見学できる古墳に絞って紹介していきますが、古墳の詳細な分布図は、甲賀市教育委員会が2008年に発行した「甲賀の横穴式石室」を参照してください。

A-3支群

 A支群は、園養寺の周辺に展開する1〜59号墳からなり、狭い尾根上に連続して築かれた数基を単位としています。園養寺東側の鐘楼広場から谷間を挟んで東の尾根先端に、6〜12号墳が密集しています。中央に並ぶ7、8号墳で横穴式石室の玄室が露出していて、ともに持ち送りの急な玄室が完存しています。6、11、12号墳は石材が散乱、9号墳は削平された墳丘だけが残っています。

7号墳石室

7号墳玄室

8号墳石室

8号墳玄室

A-2支群

 4、5号墳で構成されています。A-3支群から西へ尾根を100m登ると、4号墳の石室が露出しています。石材が一部崩れていますが、玄室は3m×1.55mの規模で、比較的残されています。5号墳は不明瞭な墳丘のみで古墳かどうか不明です。

4号墳石室

4号墳玄室

A-4支群

 13、14号墳で構成されています。A-2支群の50m南側の斜面にあり、ともに径10mほどの小円墳で、横穴式石室がわずかに顔を覗かせていますが、内部は埋まっています。

斜面上側の13号墳

斜面下側の14号墳

A-5支群

 A-4支群の南隣りの尾根の急斜面に、上から15〜19号墳が階段状に並んでいます。15号墳は石室が完存。天井のわずかな隙間から内部が覗けます。玄室は3.4m×2.1m×2m、羨道幅1.25mの右片袖式で、天井はドーム状。小型の石材を積み上げていて、園養山でも、初期の横穴式石室と見られます。16号墳も石室が完存。羨道が埋まっていますが、天井から内部に入れます。玄室サイズは3.2m×2.13m×1.55mで、やはり窮隆式の天井ですが、石材はやや大きくなっています。17号墳は墳丘のみ。18号墳は、石室の天井部がわずかに開口。玄室は3.2m×2.01m×4.5m、羨道幅1.05mの右片袖式で、持ち送りはかなり急です。19号墳は、石室が完存し、羨道から開口しています。玄室は3.3m×1.8m×2.1m、羨道は3.05m×0.98mの右片袖式で、他の古墳と比べると、側壁材が大きく、天井も窮隆式というよりは中高式です。

15号墳

15号墳玄室

16号墳

16号墳玄室

18号墳、天井がわずかに開口

18号墳、玄門方向

19号墳石室正面

19号墳玄室奥壁

19号墳奧から

19号墳中高式天井

A-7支群

 鐘楼のある広場から背後の尾根筋に築かれた24〜29号墳からなる支群で、最高所の24号墳は、A-5支群19号墳の谷間をはさんだ南隣りになります。鐘楼前の小屋の裏に29号墳があり、横穴式石室が開口しています。群中では最大クラスで玄室は3.2m×1.97m×2.5m、羨道幅1.18mの規模で、羨道は崩壊し、側壁は持ち送りが少なく、内部に天井石が落下しています。すぐ背後の28号墳は墳丘のみ。27〜25号墳は、いずれも墳丘が流失し、中央部が陥没しています。24号墳は、石室の天井部がわずかに開口。羨道方向は埋まっているようですが、奥壁側は完存、幅、高さとも1.3mのドーム状の石室です。

29号墳石室開口部

29号墳玄室内部、天井石が落下

29号墳玄室奥壁

28号墳

24号墳、天井がわずかに開口

24号墳、玄室奥壁

A-8支群

 A-7支群の南隣りの尾根、園養寺本堂の真後ろに30〜36号墳が連なっています。上から二番目の31号墳は、持ち送りのある石室が天井石を失って露出。玄室幅1.5m、羨道は埋没しています。35号墳は、石室がわずかに開口していますが、内部は完存しているようです。30、32、33、34号墳は墳丘のみ、36号墳は確認できず。

31号墳

31号墳玄室奥壁

35号墳、開口部が狭い

35号墳石室内部、保存状態は良さそう


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