湖南市園養山古墳群A支群南地区


 園養山古墳群は、湖南市三雲の園養山東山麓に位置する群集墳で、現在190基の古墳が確認されていますが、実際には200基を越えると思われます。大きく4支群に分けられますが、ほとんどが尾根筋に沿って築かれているため、尾根毎にさらに小さな支群に分けられそうです。古墳の数が多いため、横穴式石室が見学できる古墳に絞って紹介していきますが、古墳の詳細な分布図は、甲賀市教育委員会が2008年に発行した「甲賀の横穴式石室」を参照してください。

A-9支群

 37、38号墳で構成されています。A-8支群の南東の麓付近にあります。本堂左から山林内に入ると、すぐに38号墳があります。石室の石組が露出していますが、内部は埋まっています。西側の急斜面を登った尾根先端に37号墳があります。天井石が一部露出しています。

37号墳

38号墳

A-10支群

 A-9支群から西へ登った尾根筋にあり、39〜42号墳で構成されています。39、42号墳は墳丘のみ。41号墳は石材露出。40号墳は石室がほとんど埋まっていますが、奥壁付近がわずかに開口。持ち送った小型の石室です。

40号墳石室内部

41号墳

A-11支群

 A-10支群からやや南寄りに尾根を下ったところにあり、43〜48号墳からなりますが、A-10支群と一体なのかも知れません。上から順に43号墳は天井石が露出、44号墳はわずかに天井石が開口。玄室幅2.1mで、かなり埋まっていますが、石室は完存していそうです。45号墳は天井石を失った石室が露出しています。玄室幅1.5m、高さ1.1m以上、46号墳は石室完存ですが、羨道が狭く、途中までしか行けません。玄室サイズは3.4m×2.18m×2.5m、羨道は3.9m×1.15mの右片袖式で、背の高い窮隆式です。47号墳は、崖っ淵に天井石が露出、48号墳は、その脇に低い墳丘のみ確認できます。

43号墳石室内部

44号墳石室内部

45号墳、天井が開口

45号墳玄室奥壁

46号墳開口部

46号墳羨道、狭すぎます

46号墳玄室

47号墳、天井石露出

A-12支群

 A-11支群の南の尾根にあり、49〜53号墳からなります。49号墳だけが離れた尾根上にあり、ほかは麓に固まっています。50、52号墳は墳丘のみ。51号墳は天井を失った石室が残っています。53号墳は石材が露出しています。

51号墳石室

51号墳玄室奥壁


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