湖南市園養山古墳群D支群


 園養山古墳群は、湖南市三雲の園養山東山麓に位置する群集墳で、現在190基の古墳が確認されていますが、実際には200基を越えると思われます。大きく4支群に分けられますが、ほとんどが尾根筋に沿って築かれているため、尾根毎にさらに小さな支群に分けられそうです。古墳の数が多いため、横穴式石室が見学できる古墳に絞って紹介していきますが、古墳の詳細な分布図は、甲賀市教育委員会が2008年に発行した「甲賀の横穴式石室」を参照してください。

D-1支群

 D支群は、他の支群とは離れて、唯一北側の斜面に築かれていて、162〜190号墳の29基からなります。2008年の調査で初めて発見されたらしいですが、その割には規模が大きい支群です。D-1支群は東端の高い尾根筋に築かれた162〜165号墳からなります。最も下の164号墳は石室の天井石が露出していますが、内部は埋まっています。163号墳は羨道が崩壊していますが、玄室が完存。玄室長3.05m、幅1.65m、高さ1.25mの規模で、持ち送りは急です。すぐ隣の162号墳は、石材が散乱しています。

164号墳

163号墳開口部

163号墳玄室奥壁

162号墳

 162号墳から西の谷間へ下っていく急斜面の途中に165号墳があります。このような場所に石室を築くだけでもすごいですが、石室が完存しているのも驚きです。径10mほどの円墳で、石室はほぼ東向きに開口し、玄室は3m×1.85m×1.85m、羨道は2.3m×0.96m×1mの右片袖式で、玄室断面は台形をしています。

石室入口、土圧で傾いています。

羨道を奧から、石材がシャープに加工されています。

玄室奥壁、石材は小さい

玄室奧から

D-2支群

 D-1支群から西へ谷間を下っていくと、平坦な場所にD-2支群があり、166〜174号墳が密集しています。166号墳は墳丘が陥没、167号墳は石材散乱、168号墳は天井を失った石室が露出、玄室は2.35m×1.4m×1.3m、羨道は2m×0.85mの右片袖式で、天井石が内部に転落しています。169号墳は、支群の中央にあり、石室が完存。玄室は3m×1.82m×2m、羨道は3.55m×1.13mの両袖式で、持ち送りは緩やかです。170号墳は墳丘のみ。171号墳は、保存の良い石室が残り、天井が開口しています。玄室は3.1m×1.6m、羨道は2.25m×1.1m、持ち送りは急で、群中唯一の左片袖式です。172号墳は側壁が一部残っています。173号墳は石材散乱。

167号墳

168号墳

169号墳開口部

169号墳羨道

169号墳玄室奥壁

169号墳奧から

171号墳、天井が開口

171号墳、奧から

D-3支群

 D-2支群の西の尾根筋にD-3支群があります。上から175〜185号墳がほぼ1直線に並んでいます。下方の185〜182号墳は石材が散乱。181号墳は天井を失った石室が露出、玄室の保存状態は良好で、サイズは3.2m×2.1m×2.4m、羨道は3.8m×1.38mの右片袖式です。177号墳は、玄室が残りますが、巨大な天井石が内部に落ち込んでいます。玄室サイズ3.07m×1.75m×1.6m、羨道は1.2m×0.98mの右片袖式です。176号墳は天井石の一部が露出しています。

164号墳

163号墳開口部

181号墳、右が奥壁

181号墳、玄門方向

177号墳

177号墳玄室奥壁

D-4支群

 D-2支群から北へ下っていった林道の手前一体に広く散在し、186〜190号墳で構成されています。東から登ってきた林道が尾根の西側で左へ分岐していて、その三叉路に190号墳があります。分岐した林道で墳丘が半分破壊され、石室が一部露出して玄室側壁が開口しています。玄室は3.4m×1.43m×1.3m、羨道幅0.8mの両袖式で、内部は完存しているようです。

190号墳

190号墳羨道方向


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