三重県名張市・琴平山古墳

三基の横穴式石室を持つ後期前方後円墳


●三重県名張市赤目町檀字横山 琴平山古墳

●2006年11月23日 現地説明会/名張市教育委員会

 三重県指定史跡琴平山古墳は、3基の埋没した横穴式石室をもつ全長70m、三段築成の前方後円墳で、今後の保存活用に備えて、石室の構造解明のための調査が行われました。後円部石室は全長9.5m、玄室長4.5m、幅2.4m、羨道長5m、幅1.2mの右片袖式で、玄室は左側壁が崩れて内部には入れません。側壁は熔結凝灰岩の板石を積み上げ、入り口は端石材で閉塞した前にさらに大きな一枚石で二重に閉塞しています。羨道部から衝角付冑、直刀、剣などの武具が見つかっています。くびれ部石室は全長6.5m、玄室長4.5m、幅2m、羨道長2m、幅1.1mの右片袖式で、石材が崩壊して、内部はほとんど埋まっていたため、内部の調査は実施されませんでした。前方部石室は、完全に埋没しています。出土した武具や須恵器から渡来系の軍事氏族の首長墓という性格がうかがえます。

後円部石室羨道から見つかった衝角付冑と、墓前祭祀に使用されたと思われる須恵器

後円部石室、羨道天井石を外して調査。側壁の磚積みと、左の閉塞石が良くわかる。

後円部石室羨道から玄室方向、玄室は埋まっていて、少し奥が覗ける程度。玄門天井石が一段低いようです。

後円部石室羨道の入口を奥より見る。小型の閉塞石の前を、さらに大きな板石で閉塞している。

くびれ部石室、正面より

くぶれ部石室、上より


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