兵庫県神戸市西部の古墳


王塚古墳 【陵墓参考地】

 神戸市西区王塚台に王塚古墳公園として保存されています。五世紀築造の全長93mの前方後円墳で周濠が巡り、原型を良く留めています。現在は陵墓参考地として、宮内庁が管理しているため、内部への立ち入りは禁止されています。周辺には3基の小古墳が点在しています。


西神ニュータウン内第55地点遺跡古墳

 神戸市西区春日台の春日五六公園内にあります。西神ニュータウン建設に伴って調査され、現在地に移設保存されています。丘陵の尾根先端部に築かれた13×17mの長方形または楕円形墳で、埋葬施設は墓坑内に礫を充填し割竹形木棺が納められていました。現在埋葬施設が復元展示されています。

移設された墳丘

埋葬施設の復元模型


白水瓢塚(夫婦塚)古墳 【市史跡】

 神戸市西区伊川谷町の薬師山山頂にあります。全長57mの前方後円墳で、主体部は粘土槨に木棺が納められ、石製腕輪などが出土しています。夫婦塚古墳という旧称が示すように、隣接してかつてはもう1基の前方後円墳がありましたが、現在ほとんど削平されています。明石川流域では最古の前方後円墳です。

後円部

後円部から前方部


天王山古墳群

 神戸市西区天王山の第2神明道路すぐ南にあります。元々は円墳4、方墳2、帆立貝式1基からなりましたが、現在は住宅地の中の天王山北公園に円墳3、帆立貝式1基が保存されています。消滅した4、5号墳は市内でも最古級の方墳で、5号墳の箱式石棺が、現在神戸市埋蔵文化財センターに展示されています。

1a号墳、円墳

帆立貝式の3号墳

5号墳の箱式石棺


高塚山古墳群

神戸市西区多聞町の丘陵上に存在した横穴式石室墳15基からなる群集墳でしたが、開発で消滅しました。そのうち、1号墳石室が西神中央の神戸市埋蔵文化財センター前に移築され、2号墳の線刻石材がロビーに展示されています。1号墳石室は天井石を失った複室構造で全長9.6m、奥室長1.2m、幅2.1m、前室長2.8m、幅1.3m、羨道長5.6m、幅1.2mの規模で、奥室は丁字形です。長い羨道の一部に石材のない箇所があり、扉の存在が考えられます。2号墳の横穴式石室は全長6.8m、玄室長3.5m、幅1.4m、羨道長3.5m、幅1.2mの規模で、右片袖式。玄室左側壁の1石材に線刻画があり、馬、「甲」字紋、建物?が描かれています。この石材は、表面が平らに整えられ、明らかに線刻画を意識して造られていますが、下半分の表面が剥がれており、さらに線刻があったと思われます。

移築された1号墳横穴式石室

1号墳横穴式石室の丁字玄室

2号墳の線刻石材(ガラスケースの中なので見にくい)

馬と思われる線刻画 →

「田」字紋


舞子古墳群

 

 神戸市垂水区舞子坂周辺に広く分布する群集墳で、10支群に分かれています。かつては100基以上存在していましたが、現存するのは24基です。そのうち、見学しやすい舞子台支群は、舞子墓園の中央広場の周辺にあり、古くから石谷の石窟と呼ばれています。また、墓園に隣接する尼ヶ谷支群、星陵台支群、山田台支群も見学できなくはないです。

 舞子台支群

 毘沙門塚のある広場の西端に1、2号墳があります。北側の1号墳は径14mの円墳ですが、封土は流失し、横穴式石室が崩壊して露出しています。内部もほとんど埋まっており、推定全長は5m以上、幅1mくらい。天井石には巨石を使用しています。南隣の2号墳は径17mの円墳ですが、こちらも封土が流失し、横穴式石室が露出。内部はかなり埋まっていますが、石組みは良好に残っています。玄室長5.8m、幅2m、羨道長5m、幅1.5mの右片袖式で、天井石が整然と並んでいます。

1号墳、園路で墳丘を削られている

1号墳、露出した石室正面

1号墳、石室側面

2号墳、園路で墳丘を削られている

2号墳、整然と並ぶ天井石

2号墳、石室内部

 2号墳の南側の斜面にある3号墳は、崩壊が進み、横穴式石室の右側壁だけが露出していましたが、危険なため、現在は埋め戻されています。玄室長3.5m、幅1.5m以上、羨道長3.8mで、袖部は不明です。すぐ北東の薮の中にある4号墳は封土がほとんどなく、崩壊した横穴式石室の一部が露出しています。残存長4.8m、幅1.3mの無袖式です。4号墳の東15m、園路に面して5号墳があります。墳丘はかなり失われ、天井石が露出、横穴式石室は内部は埋まっていますが、比較的良好に残っています。玄室長3.6m、幅1.5m、羨道長4.4m、幅1.2mの右片袖式です。さらに東20mの園路沿いにある6号墳は墳丘が失われ、横穴式石室の中央部だけが残っています。石室幅1.5mくらいです。3号墳から南に伸びる尾根を30m下っていった先端部に7号墳があります。封土が流失し、横穴式石室は全壊して石材が散乱しています。

3号墳、石室は埋め戻されたが、石材一部露出

4号墳、横穴式石室の一部露出

5号墳、園路で墳丘を削られている

5号墳、天井石露出

6号墳

6号墳、天井石露出

この尾根先端に7号墳がある。右上は明石海峡大橋

7号墳、石材散乱

 尼ヶ谷支群

 舞子墓園は丘陵上にあり、南側の市街地から登っていく道路があります。この道路沿いに尼ヶ谷支群11基のうち、残存する4基が点在しています。上り始めてすぐ左側の道路脇に9号墳の石材が一部露出しています。状況からみて、古墳はほとんど道路下に埋まっていると思われます。その先のヘアピンカーブ内側に石材が散乱しており、消滅した10号墳の残骸と思われます。カーブの先、左側にも石材があり、消滅した8号墳の残骸と思われます。その先に三叉路があり、右側に3号墳があります。道路で削られていますが、石材が一部露出しています。その向かいのカーブの内側には2号墳があります。わずかに墳丘が残る程度です。このカーブを曲がった先に1号墳があり、横穴式石室の一部が露出しています。他の古墳はすべて消滅した模様。

9号墳、石材一部露出

9号墳、反対側より

すぐ先のカーブの内側にある10号墳の残骸か?

曲がってすぐ左側にある8号墳の残骸?

三叉路の手前右側にある3号墳、石材露出

カーブ内側の2号墳、奧に3号墳が見えている

三叉路のカーブを曲がった先にある1号墳

1号墳、石材露出

 星陵台支群

 舞子台支群から谷間(墓園の道路)をはさんで東の丘陵上にあり、3基の古墳があります。道は無いので、山林内を自力で登らねば成りません。山頂にある1号墳は、舞子古墳群の中で、唯一、横穴式石室に入室できます。天井は失われていますが、それ以外は良好に残存しています。玄室長約4m、幅1.7mほどの、小型の石材を積み上げた右片袖式です。南西50mほどの薮の中に2号墳の墳丘があります。1号墳の北西に石材が散乱していて、これが3号墳と思われます。

1号墳、横穴式石室開口

1号墳、玄室奥壁、天井は失われている

1号墳玄室奧から、右片袖式

1号墳、羨道奧から

2号墳、薮の中に墳丘のみ

3号墳?石材散乱

 山田台支群

 舞子墓園の北側の道路を挟んで北側にも墓地があり、そこから西の林に入っていくと道路に面した崖面の先端に1号墳があります。崖っぷちにかろうじて墳丘が残り、横穴式石室の天井石がいくつか露出しています。まじ、危険なので、見学には充分注意してください。支群で残存するのはこの1基のみです。

東側から接近した1号墳、石材が露出している

南側に回ると、天井石露出


大歳山2号墳

 神戸市垂水区の舞子小学校北側の高台にある大歳山遺跡公園内にあります。全長37mの前方後円墳で、主体部は横穴式石室。明石海峡を見下ろす絶好の位置に築かれています。

 


狩口台きつね塚古墳 【市史跡】

 神戸市垂水区狩口台七丁目の海を見下ろす高台に古墳公園として保存されています。径52mの二重周濠をもつ、径26mの二段築成の円墳で、両袖式の横穴式石室が南西に開口していました。玄室長4.5m、幅2.2m、高さ2.5m以上、羨道長5m、幅1.5mで、天井石は失われていました。組合せ式家形石棺の破片が見つかっています。石室は現在埋め戻されて見学できません。

   説明板の石室画像


五色塚(千壷)古墳・小壷古墳 【管理人特選】【国史跡】

 神戸市垂水区五色山にあります。五色塚古墳は明石海峡に面した台地先端に築かれた兵庫県最大の前方後円墳で、ほぼ築造当時の姿に復元されています。全長194m、後円部径125mで三段築成、空濠内には方形のマウンドがあります。隣にある小壷古墳は径67mの円墳でほぼ同時期の築造と見られます。

五色塚古墳後円部

後円部墳頂より前方部を見る向こうは明石海峡と淡路島

後円部墳頂より明石海峡大橋を見る

後円部墳頂より見た小壷古墳


金棒池古墳

 神戸市西区神出町の金棒池の中に取り残された古墳です。全長31m、高さ3mの前方後円墳で、未調査のため主体部は不明です。周辺で見つかった須恵器から六世紀中頃の築造と思われます。明石川流域では最新の前方後円墳です。

 


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