新発見の古墳群、2号墳は終末期の横穴式石室墳
■奈良県上牧町上牧字久渡「久渡2号墳」
2014年2月16日 現地説明会/上牧町教育委員会
久渡古墳群は、小丘陵上に分布する7基からなる古墳群で、2011年に新しく発見されました。これまでに北側の3〜5号墳が調査され、特に3号墳は画文帯神獣鏡が出土し、奈良盆地北西部では初めて見つかった前期初頭の古墳です。今回は2号墳が調査されました。径16mの墳丘で背面に大がかりな周溝が残っています。主体部は横穴式石室ですが、石材がほとんど持ち去られ、内部には中世の土器片が多量に出土しています。推定玄室長4m、幅1.9m、羨道長5m、羨道の前には排水溝が残っていました。床面には凝灰岩の破片を厚く敷き詰め、羨道の床面下からは葬送儀礼に使用した須恵器片が多数みつかりました。須恵器の編年より、築造は7世紀中頃と思われ、前期初頭から終末期までの古墳が同じ丘陵上に存在する類例のない古墳群と判明しました。引き続き山頂の1号墳(前方後円墳)が調査されるそうです。
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