岡山県真庭市(旧八束村)の古墳


四ツ塚古墳群 【1〜4号墳が国史跡】

 

 真庭市蒜山上長田、蒜山南麓の高原に築かれた古墳群で、六世紀頃に築かれた19基からなり、蒜山郷土博物館隣りの四ツ塚史跡公園とその周辺に16基が現存しています。1号墳は最も西にある径24mの円墳で、横穴式石室が唯一開口しています。玄室長4.88m、幅1.9m、高さ2.32mの右片袖式で、小型の川原石を高く積み上げたいかにも古い石室です。石室内は朱に塗られ、床には石や木炭が敷かれていました。人骨のほか、須恵器、土師器、刀、馬具、鍛冶具、玉類などの副葬品が出土しています。

1号墳

1号墳石室羨道

1号墳玄室奥壁

1号墳玄室奥から

 1号墳から南東方向の尾根筋に2〜4号墳の大きな円墳が並んでいて、これらが四ツ塚の由来となっています。

2号墳

3号墳

4号墳

 4号墳の南側の丘陵南端に5、6号墳が並んでいます。いずれも1〜4号墳よりはやや小さい径15mほどの円墳です。2〜4号墳に隣接して17〜19号墳の小円墳がありますが、墳丘は不明瞭です。

5号墳

6号墳

17号墳

19号墳

 谷間を挟んだ東側の丘陵地にも、まとまった支群があります。墓地の下側の道路沿いに8〜10号墳が、墓地の東に11号墳が残っていますが道路などに削られて変形しています。また南東の農地の向こうにある15号墳は径20mほどの円墳で、こちらはきれいな墳丘が残っています。7、12、16号墳は消滅。

8号墳

9号墳

10号墳

11号墳、倒れた灯篭は鳥取県中部地震によるもの

15号墳

 墓地の奧の林の中に13、14号墳があります。13号墳は全長23.3m、後円部径20mの帆立貝式古墳で、周溝が巡ります。資料館では造出し付きの円墳とされていますが、前方部の形状から見て、帆立貝式でしょう。墳丘には埴輪が巡り、主体部は木棺直葬で、隣接する蒜山郷土資料館に埋葬施設のレプリカが展示されています。北隣の14号墳もひとまわり大きい帆立貝式古墳ですが、造出し付き円墳かも知れません。

13号墳、薮の中

13号墳、資料館にある埋葬施設のレプリカ

13号墳実測図

14号墳


水別古墳群

 元、蒜山下長田にありましたが、県道工事に伴い調査され、うち2基が現在、蒜山郷土博物館に移築復原されています。1号墳は径7mの円墳で、横穴式石室は全長4m、幅2.3m、高さ1.7mの両袖式で、基底部にやや大きめの石材を据え、その上に小さい石材をドーム状に持ち送っています。5人以上が埋葬されていたようです。2号墳は径7mの円墳で、横穴式石室は全長3.9m、幅1.1mの規模です。

手前が1号墳、左奥が2号墳

1号墳玄室奥壁

1号墳奥から外、袖部には柱石を立てる

2号墳石室


<ホームへ戻る>

 

inserted by FC2 system