熊本県上天草市南部(旧松島町)の古墳


大戸鼻南古墳(2号墳)、南石棺(1号墳) 【県史跡】【装飾古墳】

 上天草市松島町阿村、天草上島の北東端、下大戸ノ岬へ続く半島の尾根上に大戸鼻古墳群があります。5基からなり、うち、北、南古墳、南石棺に装飾があります。大戸鼻南古墳は、箱式石棺が現在、保護施設の中に納められています。装飾は南側壁に同心円三個が彫られ、うち二個には紐が描かれています。西側壁にも装飾があったとされていますが、現存しないそうです。南石棺(1号墳)は現在、南古墳の前に移設されていますが、石棺内部に赤で円紋が描かれていたいわれています。しかし、現在は確認できません。

大戸鼻南古墳(2号墳)の保護施設

南石棺(1号墳)

大戸鼻中古墳(3号墳) 【県史跡】

 大戸鼻南古墳から北へ進むと、道路沿いに大戸鼻中古墳があります。墳丘や天井石、羨道は失われていましたが、現在墳丘と石室が復元されています。玄室長3m、幅1.7mで床面は三つに区画されていました。東側斜面に4号墳があったらしいですが、消滅しています。

道路沿いにある大戸鼻中古墳(3号墳)

玄室奥壁

玄室奥から

大戸鼻北古墳(5号墳) 【県史跡】【装飾古墳】

 大戸鼻中古墳のさらに北側に大戸鼻北古墳があります。径25mの円墳で、主体部の装飾のある横穴式石室です。玄室長2.1m、幅1.9m、高さ1.9mの規模で、砂岩の板石をアーチ状に積み上げ、四方に低い石障を設けています。装飾は奧石障に円紋三個(うち、一個は欠損)、東石障に円紋四個が線刻で描かれています。石室は現在、保存整備され、普段は施錠されています。

大戸鼻北古墳(5号墳)

保護施設の前室


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