解明されていく古墳の築造方法


■島根県松江市朝酌町1166「廻原1号墳」

 

 2015年4月4日 現地説明会/島根大学法文学部考古学研究室

 学生の実習を兼ねた学術調査が2009年から継続しています。今回の調査では、墳形と築造方法がかなり明らかになりました。墳丘は一辺約10mの円墳で、地山を平らに削り、その上にほとんど盛り土で築かれていました。石室は整地面の上に石材を設置し、現地で石材を削った痕跡が残っていました。その上で、石材を組み付けながら、周囲を盛り土で固めていく様子が見て取れます。

南西隅の墳丘裾を検出

石材の削り痕と手前に削りカス

 石室は、石棺式石室に近い形態で、玄室は加工しやすい凝灰岩を整美に加工し、羨道は安山岩をあまり加工せず使用しています。石材には加工痕が良好に残っていて、石材の削りカスが整地面にそのまま残されています。

手前が羨道の天井石、奧が玄室の天井石

羨道から玄門

玄室内部


<ホームへ戻る>

 

inserted by FC2 system