静岡県三島市・清水町の古墳


夏梅木6号墳

 三島市錦が丘団地の中にあり、団地造成時に発見されました。現在、天井石を補って復元された姿で夏梅木古墳公園内に保存されています。径14mの円墳で、幅1.5mの周溝が巡ります。横穴式石室は全長6m、幅1.5m、高さ2mの無袖式で、2m×0.6mの箱式石棺が納められていました。


井之森古墳

 三島市谷田の井之森稲荷神社境内にあり、墳丘上に社殿が建っています。現状で、径20mほどの円墳で、墳丘上のあちらこちらに横穴式石室の石材が露出しています。

墳丘上に社殿が建つ

石材散乱


向山古墳群 【県史跡】

 三島市谷田、上記の錦が丘団地のメインストリートを登っていくと、向山の尾根上を東西に走る道路との丁字路に突き当たります。西へ右折して、しばらく進むと、道路(尾根)沿いに古墳がほぼ一線に並んでいます。15基からなり、東端に伊豆國では唯一の全長21.5mの前方後円墳(3号墳)がある以外は円墳で、東端にある向山小学校建設で円墳二基が消滅し、道路拡幅工事で一部が破壊されています。すべてが中期後半の木棺直葬墓で、将来、遺跡公園として整備される予定です。

分布図(三島市教育委員会)

左15号墳、右12号墳

手前から9、10、11号墳

 2013年に史跡整備が終了し、向山古墳群公園として開園しました。A〜C地区の3エリアからなります。A地区は3〜6号墳からなり、3号墳は全長21.7mの前方後円墳で、六世紀中頃、群中最後の古墳です。木棺直葬で、土壙が陶板で展示されています。

 

5号墳からみた3号墳

後円部墳頂の土壙の展示

 4号墳は径11.5mの円墳で、詳細は不明です。5号墳は径14.4mの円墳で、周溝がありました。6号墳は長径17.3mの楕円径墳と推定されますが、ほとんど消滅していました。

4号墳

5号墳

6号墳のあった位置

 B地区は古墳保存エリアで、7〜11号墳が現状保存されています。すべて円墳ですが、9号墳は、ほとんど消滅していそうです。

A地区から見たB地区

7号墳

8号墳

9号墳、道路の下?

10号墳

11号墳

 C地区には12〜15号墳が保存されています。12号墳は径13mの円墳で、墳丘は版築で築かれ、周溝が巡ります。15号墳は、径14.6mの円墳ですが、すでに削平されて周溝だけが残っていました。13号墳は、径15mの円墳で、墳丘がかなり破壊されていましたが、盛り土で復元されています。木棺直葬の痕跡が残っていました。14号墳は、径28mの群中最大の円墳です。自然地形を整形しており、周溝はありません。木棺直葬の痕跡を石で表示しています。

 

C地区

12号墳

15号墳、周溝のみ残る

13号墳

14号墳、最大の円墳

14号墳墳頂の土壙の表示


伏見4号墳 【町史跡】

 清水町伏見の国道1号線がJR線を跨ぐ高架橋のすぐ横、静岡ガスのガスタンクの隣りにあります。元6基の古墳群でしたが、1号線の工事で5基が消滅し、4号墳のみ現地保存されています。径8mの円墳で、河原石で築かれた長さ3m、幅1m、高さ1mほどの横穴式石室を持ちます。説明板には八世紀末〜九世紀初頭の築造と書かれていますが、果たして本当にそうなのか、疑問です。

 


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