千葉県長柄町の古墳


長柄横穴群徳増支群 【管理人推薦】【国史跡】【装飾古墳】

 長柄町徳増、長柄町役場の東1km、北に開けた小さな谷間の東向き斜面にあり、東西二つの尾根筋に9つの小支群があります。現在第4支群が整備中で、見学し易くなっています。第4支群13号墓には線刻画が描かれていますが、厳重に封鎖されていて、見ることはできません。奥壁には人物、鳥、三角屋根の家、四層の建物など、左側壁には舟に乗る人、五重の塔、鳥など、右側壁には鳥?らしき題材が描かれています。

第4支群、右端の扉が13号墓、左へ14〜16号墓

13号墓奥壁の壁画

13号墓左側壁の壁画

 左の壁画の五重の塔

 13号墓の西側に14〜16号墓が並んでいます。これらは、高壇式横穴墓と呼ばれ、羨道と玄室の間に1.5〜2mの高い段差があるのが特徴です。実際、備え付けられた階段がないと、玄室を見学することすらできません。上記の13号墓の場合、玄室長2.6m、幅3.5m、高さ1.7mですが、羨道との段差が1.7mあり、羨道床面から玄室天井までの高さは3.4mにもなります。14号墓玄室はドーム形の天井で、奥壁と右側壁に沿って屍床が二人分備わっています。15号墓には各壁に沿って何と四人分の屍床があり、天井には寄棟の屋根を模した加工が施され、有力な家族の墓を思わせます。16号墓では墓前域が残り、墓前祭祀が行われたと考えられます。玄室が高すぎて内部が見えませんが・・・。

14号墓玄室、屍床がL字に並ぶ

14号墓玄門、奧から

15号墓羨道

15号墓玄室、屍床が壁に沿って四人分ある

15号墓玄室天井

16号墓、段差が高い!

 さらに奧へ進むと、もう、名称がわからないので以下仮称です。高壇式横穴にはいろんなバリエーションが見られます。仮称18号墓は、直線的な羨道に対して、ドーム状の玄室のコントラストが美しいです。仮称19号墓は段差が2.9mもあり、群中最大、全国的に見ても、最大級の大型横穴墓です。仮称20号墓はやや変形タイプ、壁に沿って三つの屍床がコの字に並び、その真ん中の通路が羨道と同じ高さになっています。

仮称18号墓羨道

仮称18号墓玄室

仮称19号墓羨道の高壇。・・・高っ!

仮称19号墓玄室の天井、見上げるしかない高さです。

仮称20号墓、低い通路が玄室内部まで続く

仮称20号墓玄室、屍床だけが高い位置にある

 横穴の現状は様々で、封鎖・施錠されているもの、現状保存されている物、コンクリートで埋められている物があります。封鎖された横穴の中には、アクリル板で内部を見学できるものもありますが、覗いたところ、どういう理由でそうなっているのかはわかりません。どうせなら、装飾横穴をそうしてほしいところです(単なる落書き防止のためか?)。

様々な横穴墓の現状

右端の横穴の内部、奥壁に落書きが見える

あまり飾らないシンプルな高壇式

内部は家屋を模しています

これは、かなり完成度の低い横穴墓

玄室、これも家屋を模している


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