鹿児島県長島町中部

 


鬼塚1号墳(小浜崎古墳群) 【県史跡】

 長島町蔵之元鬼塚、国道389号線沿いに小浜崎古墳群の大きな標識があり、そこを左に曲がってすぐ右側にあります。海を見おろす丘陵上に築かれた径11mの円墳で、墳丘は礫まじりの土で盛られています。横穴式石室は玄室長2m、幅1.7m、高さ1.44m、羨道長4.2m、幅1.7mの両袖式ですが、羨道の奧側を前室として使用した複室構造ともされています。羨道・玄室には平石が敷かれ、玄門の扉石が現在、側壁に立てかけられています。六世紀後半の築造です。

石室正面

羨道から玄門

玄室内部、天井石が落ち込んでいる

玄室奧から


鬼塚2号墳(小浜崎古墳群) 【県史跡】

 1号墳のそばにあります。2m×1mの箱式石棺で、内部に板石の仕切があります。鉄刀が出土し、六世紀後半の築造と思われます。このほか、同じ箱式石棺の3号墳がありますが、未調査で埋め戻されています。

石碑の後ろにある

中央に仕切りあり


楽之平古墳(小浜崎古墳群) 【町史跡】

 鬼塚古墳の手前に道路から斜面を下っていく道があり、100mほど下った西側の畑の奧にあります。横穴式石室の玄室の奧・側壁が残っています。1.5m四方くらいの大きさです。

石室正面

側面から

奧側から


白金古墳(小浜崎古墳群) 【県史跡】

 鬼塚古墳から西へ進むと、長島古墳公園があり、その中に白金古墳があります。長径7.3mの積石塚で、石室背後に積石が良く残っていますが墳形は不明です。横穴式石室は玄室長2.2m、幅1.8m、羨道長2.7mの両袖式で、玄室奧、左側壁は腰石上に割石を積んでいますが、右側壁は巨石一枚です。豊富な副葬品が出土し、六世紀後半の築造です。

積石塚

石室正面

玄室奥壁、右側壁は巨石一枚

玄室奧から


小浜崎1号墳(小浜崎古墳群) 【県史跡】

 白金古墳からさらに西へ進んだ道路の行き止まり近くに小浜崎古墳群2基があります。東側の1号墳は径4.6mの積石塚の円墳で、竪穴式石室が天井石をはずされて露出しています。2.4×1.8mの大きさで、割石を小口積みしています。内部に追葬の際に加えられた別の側壁が見つかっています。五世紀頃の築造です。

海を望む積石塚

竪穴式石室


小浜崎2号墳(小浜崎古墳群) 【町史跡】

 1号墳のとなりに2号墳があります。径15mの円墳で、調査時竪穴式石室が露出していましたが、現在は埋め戻されています。石室は平石四枚で囲った2m四方の正方形プランで、平石で二室に区画されており、床面にも板石を敷いていました。五世紀の築造で、弥生期から続く箱式石棺が大型化したものと考えられています。小浜崎古墳群の先の行き止まりから海岸へ下りていく階段があり、下ったところに古墳の石材を採集した跡と考えられている岩場があります。

2号墳

石材採集跡


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