神奈川県小田原市・二宮町の古墳
◆大日ヶ窪横穴墓群 【装飾古墳】
二宮町緑が丘三丁目の湘南緑が丘住宅地内にある古墳公園に保存されています。33基からなりますが、ほとんどが埋め戻されて、フェンス前の数基のみ開口しています。しかし、現状は薮に覆われて、見学は不可能です。ほとんどがアーチ型で、作りつけ石棺のある横穴もあります。9号墓には線刻画が描かれていました。
◆羽根尾横穴墓群
小田原市羽根尾の西湘テクノパーク周辺に分布する複数の横穴墓群の総称ですが、テクノパーク建設でかなりの数が消滅し、一部が史跡公園内に保存されています。調整池の背後の斜面に谷津、穴口横穴墓群計28基が存在しましたが、調査後消滅しました。西側の谷間には羽根尾史跡公園があり、23基の横穴が保存されています。内部はアーチ型です。消滅した板取横穴墓群では、線刻画が見つかっています。
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小田原市穴部から久野にかけての台地上に分布する県内最大の群集墳で、元120基くらいありましたが、農道や開墾で破壊され、それでもかなりの数が残っています。
■1号墳 【市史跡】
五百羅漢駅から西に丘陵を登っていった配水池となりの道路沿いにあります。群中、東端に位置する径39mの円墳で、周溝もあったようです。県下では最大の円墳です。他の古墳と距離が離れすぎているので、本来は一つの群ではないのかも知れません。
■2、3号墳
1号墳から西へ1km(車は通行不可)、農道沿いに2号墳の説明板があり、その北側奧にあります。墳丘はかなり破壊されていますが、径20mの円墳で、川原石を積んだ横穴式石室が調査で検出されています。さらに西400m、農道南に3号墳の大きな墳丘が見えています。径15mくらいの円墳です。
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■4号墳 【市史跡】
3号墳の西300m、農道に案内が出ています。径20m、二段築成の円墳で、唯一横穴式石室が完存しています。全長7m、幅1.5m、高さ2mの無袖式で、側壁は川原石を積み上げ、床には礫を敷き詰めています。奥壁の石積みはけっこう複雑で、天井石も一段低くなっています。中央付近には棺台らしき板石があります。調査で二体以上の人骨が見つかりました。
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■15号墳
4号墳の西100mにあります。横穴式石室が天井石をほとんど失った姿で露出しています。一部復元されているそうです。全長5.8m、幅2mの無袖式で、やや胴張り状です。
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15号墳の西あたりが最も古墳密度の濃いエリアで、小円墳が果樹園の中に点在しています。
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■総世寺裏古墳
15号墳の西1km、総世寺西側の道路沿いにあります。農道工事で発見され、横穴式石室が一部を破壊されましたが、残りは現地保存されました。全長6.4m、幅1.3mの川原石積みで、二回の埋葬で、五体の被葬者が推定されています。
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