滋賀県多賀町・大岡高塚古墳

首長墓に相応しい県内屈指の大型石室を検出


●滋賀県多賀町大岡 町史跡・大岡高塚古墳

●2007年2月4日 現地説明会/多賀町教育委員会

 大岡高塚古墳は、これまで玄室床面や羨道部がかなり埋まっていて、その実態が明らかでは有りませんでしたが、調査の結果、県内でも屈指の大型の横穴式石室であることが判明しました。全長11.6m、玄室長5.2m、幅2m、高さ3m、羨道長6.4m、幅1.2m、高さ1.7mの両袖式で、奥壁や天井に巨石を使用しています。玄室はやや胴張りで、持ち送りはほとんどありません。羨道は入り口から玄室まで、二段下がる構造で、湖東地方に多い階段式石室との共通点が窺えます。床面の段差に合わせて、天井の高さも途中で二段低くなっています。羨道の途中に河原石を敷き詰め、その上に馬具一式が置かれていました。副葬品は馬具一式のほか、須恵器や耳環、鉄製品などが出土していますが、六世紀後半に築造後、七世紀前半までに二回追葬されているそうです。規模、副葬品ともに犬上郡の首長墓に相応しい内容をもった古墳であることがわかりました。

石室入り口、羨道の手前はやや崩れていた

羨道、手前に一段目、玄門部に二段目の段差がある

玄室、側壁が崩壊寸前

奥壁、2.2×1.8mの巨大な石材を使用

玄門部

調査前の玄室奥壁、床が半分埋まってました


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