姿を現した美しい石積み周濠
■奈良県葛城市太田「太田古墳群」
4号墳の美しい石積み周濠
2015年4月5日 現地説明会/葛城市教育委員会
初めて聞きました。「道の駅」の事前調査なんて・・・、現地は、小山2号墳の石棺が移設展示されている場所の周辺です。予定地内で古墳4基と小石室6基を検出。1号墳は墳丘は不明で、横穴式石室の一部が残っていました。全長8.1mの両袖式で、六世紀後半の築造です。七世紀中頃に床面を作りなおして追葬されていました。付近に小石室が3基付随しています。
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2号墳は、墳丘は不明で、横穴式石室のみ検出できました。全長4mの無袖式で、玄室は奧に行くほど狭くなり、奥壁に奥室が伴う珍しい構造をしています。玄室は長さ2m、幅0.75m、奥室は長さ2m、幅0.5mです。六世紀中頃の築造です。そばに小石室04が付随します。
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3号墳は、墳丘は不明で、石棺の一部だけが残り、その周りに横穴式石室の石を抜かれた跡が検出されました。付近の小石室05からは完形の須恵器、土師器が出土しています。
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4号墳は、径23mの大きな円墳で、墳丘はほとんど削平されていましたが、山側の周濠が良好に残っていました。幅4mで墳丘裾の外護列石と、外周の護岸が美しく丁寧に石積みされています。この付近は花崗岩が風化した砂質の崩れやすい土壌であるため、土留めと装飾を兼ねていたと思われます。主体部は横穴式石室内部に組合せ式家形石棺が置かれていましたが、石室は完全に破壊され、盗掘された石棺だけが残っていました。石室の推定全長は14.4mで、副葬品としては、石棺底から、六獣形鏡だけが奇跡的に残されていました。七世紀前半の築造です。
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