愛知県名古屋市・尾張戸神社古墳、中社古墳

山頂の前期首長墓を本格的調査、でも真夏の現説はやめてよネ!


尾張戸神社古墳、中社古墳(愛知県名古屋市守山区上志段味) 

 現地説明会2009年8月8日/名古屋市教育委員会

 尾張戸古墳は名古屋市最高所の東谷山山頂に築かれた前期古墳で、式内社である尾張戸神社に取り込まれています。これまで墳形については諸説ありましたが、今回の調査で葺石が裾部まで良好に残っていることがわかり、その結果二段築成の円墳の可能性が高くなりました。葺石は大きな角礫を何重にも重ねて積み上げ、中には石英が混ざっています。南側の葺石は特に大型で、正面を意識した造りなのかも知れません。

北側の斜面

南側の葺石、かなり大型の石材を使用

 南隣りのピークにある中社古墳は、自然地形を利用した全長60mの前方後円墳で、山頂にありながら、墳形が良好に残っています。こちらの葺石は小型の円礫が中心で、くびれ部のトレンチでは裾に円筒埴輪が原位置で残っていました。尾張では最古級の埴輪で、埴輪を伴わない白鳥塚、尾張戸神社古墳に次ぐ前期首長墓と考えられます。

くびれ部の葺石と埴輪列

原位置の円筒埴輪


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