佐賀県みやき町北部(旧中原町)の古墳
みやき町蓑原字山田、山田地区周辺の山麓一帯に広く分布する群集墳で、集落の北の竹林内にある一群が見学可能です。県道136号線から山田集落北端の道路を東に入っていくとすぐ竹林の中を通ります。この左右の竹林の中にざっと12基の古墳があります。左側の竹林のすぐ道沿いにある1号墳(以下すべて仮称)はいきなり横穴式石室が開口しています。巨石と小さな石材を組み合わせたドーム状の玄室で、鏡石の前に石仏が祭られています。石室前側が破壊されているので本来は複室構造かもしれません。すぐ後ろ側にも2号墳がありますが、墳丘はくずれて、巨石が露出しています。竹林を東に進むと、3号墳の残骸があり、小さな石材が残されています。
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その先、竹林の向こうに民家があり、その手前に4号墳があります。墳丘は削られ、石室も一見破壊されていそうですが、内部は意外に残っています。入口は狭いですが、後室の天井が開口しています。民家の古墳犬に注意。
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道路の南側の古墳は、最も西寄りに5、6号墳が隣接しています。5号墳は道路で半分くらい破壊されています。となりの6号墳も大きく破壊されていますが、玄室奥壁付近がかろうじて残されています。
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5、6号墳の先の南側の竹林内に7〜12号墳が密集しています。西端の7号墳は、墳丘が削られ、横穴式石室の西側の側壁が露出しています。石室は1号墳よりは大きく、玄室は完存。腰石の上に自然石を乱石積みしていて、鏡石の前には、ここでも石仏が祭られています。信仰の場となっていることが、古墳群の保存に寄与しているようです。ここも石室前側が破壊され、本来は複室であったと思われます。
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7号墳の東の道路沿いに8、9号墳が並んでいます。8号墳は道路でかなり破壊され、小型の横穴式石室が露出しています。9号墳は小円墳で、竹に覆われています。
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9号墳の南側にある10号墳は、最大の円墳で、墳丘・横穴式石室とも良好に残っています。石室は全長10mほどの複室構造で、1、7号墳と同じ構造ですが、巨石を使用し、立派な玄門を備え、後室も天井が高く築かれています。ここでも鏡石の前に石仏が祭られています。堂々たる盟主墳です。
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10号墳の隣りに11号墳があります。ここは横穴式石室が完存していそうですが、入口が埋まっていて、側壁の一部から内部をかろうじて見ることができます。竹林から、南の民家へ下っていく細道の途中に12号墳があります。墳丘は大きく破壊され、横穴式石室の石組みがわずかに残っています。
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