佐賀県小城市一本松古墳群


一本松古墳群 【市史跡】

 

 小城市小城町畑田、国道203号線北側の一本松集落から長崎自動車道を越えて、北西へ500mほど進んだ道路左側にあり、道沿いに説明板があります。元は70基以上ありましたが、現存するのは13基で、そのうち2、7〜10号墳が市指定史跡となっています。ただし、各古墳名が不明なので、名称はすべて訪問順につけた仮称で史跡名とは不一致です。( )内は報告書での名称。


 1号墳

 説明板の後ろの西端にある径10mほどの円墳で、石室の石材が一部露出しています。

 


 2号墳(A号墳)

 東隣にあり、低い墳丘に石材が少し見えています。径8mの円墳で、主体部は羨道のない2.1×0.89mの横口式石室です。

 


 3号墳(B号墳)

 2号墳に隣接する径11mの円墳で、天井部を失った横穴式石室が残っています。玄室長1.96m、幅1.97m、羨道長3.8m、幅0.74mの両袖式です。天井がないため内部はものすごい笹薮状態です。

石室正面側

玄室奥壁

玄室奥から


 4号墳

 少し東に離れて、4〜6号墳が固まっています。4号墳は低い墳丘に石材が散乱しています。

 


 5号墳(C号墳)

 径10mの円墳で、墳丘はかなり流失し、横穴式石室が露出しています。玄室長2.1m、幅1.76m、高さ2.44m、羨道長3.44m、幅0.84mの両袖式です。羨道の途中に仕切があります。

石室正面側

石室内部

玄室奥壁


 6号墳(D号墳)

 径14mの円墳で、横穴式石室が唯一、良好に残っています。玄室長1.9m、幅1.64m、高さ2.56m、羨道長3m、幅0.72mの両袖式で、前庭部がハの字に広がっています。奥壁には鏡石が横に二枚並べているのが特徴的です。

石室正面側

羨道から玄室

玄室奥壁

玄室奥から


 7号墳

 6号墳の北側にあり、道路で墳丘がかなり削られています。石材がいくつか露出しています。

 


 8号墳(2号墳)

 4号墳の東100mにある8号墳は径10mほどの円墳で、横穴式石室が露出しています。全長5mほどの小型の石室ですが、立派な鏡石を据えています。袖部は板石を両側に立てただけの構造です。

石室正面側

玄室奥壁

玄室奥から


 9号墳(1号墳)

 8号墳北側の林の中に9号墳があります。径15mほどの円墳で、天井石を失った横穴式石室が露出しています。全長7mほどで、玄室の広さは群中最大、側壁部の保存状態も割と良好です。以上、石室の残っている5基が市史跡と思われます。なお、残りの4基はさらに東側の斜面にあると思われますが、未整備で薮が酷いので未訪問です。

石室正面側

玄室奥壁

玄室奥から

玄室上から左側壁


<ホームへ戻る>

 

inserted by FC2 system