佐賀県白石町の古墳


船野山古墳群1号墳(かぶと塚古墳) 【管理人推薦】【町史跡】

 白石町大字堤字船野3780、北方町の永池から南に約1km、県道345号線のヘアピンカーブの位置に標識があり、そこから少し東に入った山林内にあります。標高120mの丘陵東端に築かれた径40mの円墳で、天井を失った横穴式石室が残っています。全長8m、玄室長4m、幅2.3mの両袖式で、腰石の上に平石をほぼ垂直に積み上げ、玄門には板石を横に立てて仕切石とし、石障に近い構造をしています。羨道は入口に向かって少しハの字に開いているようです。特徴的なのは袖部で、羨道と玄室の側壁が流れるようにカーブを描いて繋がっています。なかなか美しい石室です。五世紀後半の築造とされています。

石室正面

玄室前側から

玄室奥側から


道祖谷(さやんたに)古墳 【県史跡】

 白石町大字馬洗字道祖谷3289、船野山1号墳の標識のところから県道345号線をさらに南に進んだ歌垣公園内にあります。県史跡ですが、公園の造成でかなり破壊されてしまい、現状は無惨な姿となっています。推定全長85mの前方後円墳で、後期としては県内最大です。主体部は未調査です。

墳丘側面から、左が後円部

現状の墳丘実測図


野柄古墳群1号墳 【町史跡】

 白石町大字堤3573、歌垣公園の東の麓、船野集落の奧に嘉瀬川池があり、その西の谷間奧にさらに小集落があります。その最も奧の民家の裏にありますが、古墳は完全に薮に覆われて、まずわからないので、オーナーさんに尋ねてください。墳丘はほとんど残っていませんが、複室構造の横穴式石室が良好に残っています。全長約7m、後室長3m、幅1.5m、高さ2.5mほどの両袖式で、奧、側壁は腰石の上に割石を積み上げています。小型ながらツボを抑えた石室です。

前室から後室玄門

後室奥壁、丁寧な造り

後室奥から

前室奧から


湯崎古墳群 【装飾古墳】

 

 白石町湯崎、須古小学校の南西1km、陽興寺の裏山にあり、林道沿いに2基の古墳が並んでいます。1号墳は全長41m、後円部径25mの前方後円墳で、主体部は不明ですが、墳丘裾に巨石が散乱しているので、横穴式石室と思われます。六世紀後半の築造です。

1号墳、後円部

後円部の墳丘裾に石材散乱

小マウンドに石材散乱、これは他の古墳か?

 西隣りの2号墳は径20mほどの円墳で、天井石を失った横穴式石室が露出しています。小型の石材を積み上げた単室構造で、羨道はハの字に開いています。現状で多くの石材に線刻画が刻まれています。内容の不明なものが多いのですが、マグサ石や袖石には船のような紋様が見られます。六世紀末の築造とされています。

2号墳、横穴式石室

玄室奥壁

玄室奧から、マグサ石落下

玄門左袖石内面の船?

羨道左側壁材の幾何学的な線刻

落下した玄門マグサ石の線刻

玄室右側壁材の不明線刻

玄室右側壁材の斜格子紋?

玄門マグサ石内面の船?


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