佐賀県鳥栖市杓子ヶ峰の古墳


 鳥栖市神辺町の杓子ヶ峰は山頂に宮地嶽神社があり、その周辺は草スキー場やハイキングコースが整備され、市民の憩いの場となっています。山頂の神社周辺に杓子ヶ峰古墳群14基、南側斜面から谷間にかけて、東十郎古墳群73基が分布しています。鳥栖市街から県道329号線を河内ダムへ向かって西へ進むと、二つ目のヘアピンのところに宮地嶽神社の鳥居があり、そこから杓子が峰への登山道が始まっています(鳥居前に駐車可)。

 

東十郎古墳群

 登山道を登り始めて山林内に入ると、道脇の樹木のあちこちにテープが巻かれていて、それが古墳の場所を示しています。左側斜面の最も下の1号墳は石室天井石が露出、そこから50mほど先に見えている2号墳は玄室の奧側付近が残存。さらに上方にある3号墳は墳丘、石室がほぼ完存しています。

1号墳、天井石露出

2号墳

2号墳玄室奥壁

3号墳

3号墳、羨道から玄室奥壁方向

3号墳、玄室奧から

 3号墳から先はかなり薮に覆われていますが、目印のテープを便りに捜索すると、登山道の左側に小石室が続きます。4号墳(ここから仮称)は小石室の玄室下部が残存。5号墳は全長6mくらいの細長い石室で平面形は良く残っています。6号墳は玄室の奥壁付近だけが残っています。

4号墳

4号墳奥壁付近

5号墳羨道

5号墳玄室奥壁

5号墳玄室の奧から袖部、両袖式か?

6号墳

6号墳玄室奥壁

 登山道の右側にもテープが巻かれており、そこから尾根まで登り、尾根上を右側に進むと、先端に7号墳があります。群中最大の径15mほどの円墳で、横穴式石室が完存しています。全長約10m、後室長約3m、幅約2.2m、高さ約3mの複室構造で、後室奥壁の前には仕切石があります。今は山林に隠されていますが、おそらく当時は見晴らしの良い一等地に築かれた盟主墳です。

7号墳、石室羨道

7号墳、前室の玄門

7号墳後室奥壁、前に仕切がある

7号墳後室奥から前室方向

 7号墳から尾根上を50mほど戻ると、もう1基、状態の良い横穴式石室がありました。複室構造で、7号墳よりはやや小型で、前室は形式的ですが、後室の天井は高いです。

8号墳、石室入口

8号墳、前室の玄門、前室はかなり狭いです

8号墳後室奥壁、天井が高い

8号墳後室奥から前室方向、袖石はややしょぼい


杓子ヶ峰古墳群

 

 登山道を登り詰めると、山頂は草スキー場が整備された開けたエリアとなっており、擂り鉢状になった周囲の尾根上に7基の古墳が分布しています。登山道のすぐ右側の休憩所に1号墳(以下すべて仮称)があります。径10mほどの円墳で、小石室が露出しています。そこから右手の谷下のトイレ横に2号墳があります。こちらも小石室の石材が露出しています。

1号墳

1号墳石室内部

2号墳

2号墳石材露出

 北側の尾根には3基の古墳が横一線に並んでいます。右端の3号墳は墳丘、石室ともほぼ完存しています。入口、羨道、前室は狭いですが、後室は天井が高く、奥壁は鏡石が中心から外れて築かれています。これは果たして意図的なのかどうか?

3号墳、羨道

3号墳、後室の玄門

3号墳、後室奥壁、鏡石が中心にない

3号墳、後室奥から

 隣の4号墳は墳丘がやや流失して石室の天井石が露出していますが、石室内部は完存しています。ここも入口、羨道、前室は狭いです。内部は自然石の乱石積みで、玄門も自然石を積んであるだけです。

4号墳、石室正面

4号墳、後室の入口

4号墳、後室奥壁

4号墳、後室奥から

 左端の5号墳は石室入口が薮に覆われて非常に狭く、汚れるので入室は諦めました。内部は完存していそうです。

5号墳、石室入口

5号墳、石室内部

 最も高い位置に宮地嶽神社があり、その裏に6号墳があります。墳丘の一部が削られ、石室の一部が露出しています。その先の尾根先端にある7号墳は径15mほどの円墳で、石材が一部露出しています。

6号墳

6号墳石室内部、ほとんど埋没

7号墳

7号墳の露出した石材

 杓子ヶ峰古墳群14基のうち、説明板によると、山頂付近に7基、四番杓子から奧に7基あると書かれているのですが、「四番杓子から奧」というのがよくわかりません。とりあえず尾根伝いに奧に進むと、1基だけ墳丘を見つけました。石室は見えていません。あとの6基は不明です。

 


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