愛知県一色町佐久島の古墳


 佐久島は愛知県一色町に属し、三河湾の入口に位置します。現在は過疎化・高齢化が進む寂れた島ですが、古代から海上交通の要所であるため、島内には47基もの古墳が存在します。また、佐久島で産出する佐久石は東海地方の古墳の石室に多く用いられています。最近はアートの島として、観光化が進み、島内の主要な古墳も整備され見学しやすくなっています。島へは一色町の中心部から、町営の高速船が出ていて、気軽に行くことができます。

 

エベス塚古墳

 島の西端、波ヶ崎の丘陵上にあります。西港からすぐ西の恵比寿社から標識が出ています。墳丘はかなり改変されているようですが、径15mくらいの円墳と思われます。内部施設は不明です。

 

石垣(しがけ)1号墳

 島の中央にある入り江の西岸を南に進み、おひるねハウスというアート作品を過ぎてすぐ先の林の中にあります。案内標識が整備されています。横穴式石室の天井石が露出、羨道部が失われていますが、玄室は奥壁に鏡石を据え、側壁はやや胴張りで、佐久石の割石を極端に持ち送っています。玄門部に、天井から遊離したマグサ石が架かっています。現存長4m、幅1.8mの疑似両袖式と思われます。

石室正面から

石室内部

山の神塚古墳

 一色町史跡。島の西海岸の白浜海水浴場から北の丘陵へ登っていったところにあり、標識が完備しています。径12mの円墳で、複室構造の横穴式石室が良好に残っています。後室は3.8m×1.6m×2m、前室は2m×1.4m×2m、羨道は2m×1mの疑似両袖式で、各室は袖石で床面には敷石と組合せ式箱形石棺(1.1m×0.4m×0.3m)が残っています。後室は天井石が残っていて、玄門に天井から遊離したマグサ石が架けられています。碧玉、金環などの出土品は、西港そばの弁天サロンに展示されています。

石室正面から

後室は施錠。遊離したマグサ石が見える

玄室奥壁、持ち送りはあまりない

玄室床面と石棺

外浦古墳

 山の神塚古墳から林の中の遊歩道を北へ進み、海岸線に突き抜ける直前の右の林の中にあります。径15mの円墳で、横穴式石室の天井石が見えています。隙間から覗くと、内部は完存していそうです。

石室がわずかに開口

石室内部

平地1号墳

 島の中央の入り江北岸にJAがあり、そこから山側へ100mのところにあります。道沿いに標識が出ています。径10mほどの円墳で、横穴式石室がほぼ完存。単室構造で、玄室長3.5m、幅2m、高さ2.2mの疑似両袖式で、玄室は奥壁に鏡石を据え、側壁は胴張り状で持ち送りがあり、天井は前後に弧状となっています。玄門には天井から遊離したマグサ石があります。

石室正面

羨道、遊離したマグサ石が見える

玄室奥壁

玄室奧から

秋葉山1号墳

 大浦海水浴場から北東の秋葉山を登っていった秋葉神社前にあります。径10mほどの円墳で、横穴式石室が半壊して露出しています。玄室天井が開口し、奥壁付近を見ることができますが、鏡石ではなく、割石を多段積みしています。単室構造で、島内でも古い時期の石室と考えられます。

石室側面より

玄室奥壁


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