岡山県総社市北部の古墳
■千引古墳群 【管理人推薦】
総社市奥坂、国史跡・鬼ノ城の麓にある鬼ノ城ゴルフ倶楽部のクラブハウスへの導入路すぐ脇に移築されています。芝生が貼られて美しく保存されていますが、隣はフェアウェイなので、「フォアー」という声が聞こえたら、注意が必要。6号墳は元3番ホールにあった径12mの円墳で、七世紀前半の築造。横穴式石室は全長6.4m、幅1.3m、高さ1.5mの無袖式で、群中では大型の石室です。7号墳は元1番ホールにあった一辺6mの方墳で、七世紀末頃の築造。横穴式石室は全長3m、幅0.95m、高さ1mの小型石室で床面には木炭が敷かれていました。円面硯が出土しています。付近は製鉄遺跡が集中する地域で、千引古墳群もそれに関連する集団の墓と思われます。
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■穴観音古墳群 【管理人推薦】
総社市奥坂の谷間を北へ進むと、観音巡りの霊場があります。その中央に穴観音と呼ばれる建物があり、内部が横穴式石室と一体化しています。本来の墳丘はすでに不明で、羨道部もすでに消滅していますが玄室は完存。長さ約4m、幅1.5m。高さ1.8mの規模で、奥壁には弁財天、右側壁には1479年銘のある種子十三仏や羅漢像が刻まれています。
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「古墳奮闘」により、上記1号墳以外にも2〜5号墳の存在を知り、再訪してきました。データも「古墳奮闘」に拠ります。穴観音から東の林の中へ入ってすぐ、巡礼道を挟んで2、3号墳があります。2号墳は小円墳で、横穴式石室の一部が露出、隙間から、わずかに側壁が覗けます。3号墳は、石室がほぼ完存、玄室サイズ5m×1.9m×2.2m、羨道サイズ4m×1.5m×1.4mの右片袖式で、奥壁は巨大な1枚石、1号墳よりは、こちらが盟主墳でしょう。さらに林の奧の4号墳は、石材が一部露出していますが、開口部が狭く隙間から窺ったところでは、内部は完存していそうです。南にある5号墳は天井石が露出、隙間からかろうじて内部に入れますが、とても狭く小規模な石室です。
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■阿弥陀原古墳群 【管理人推薦】
穴観音古墳群から市道を山沿いに北へ200m行くと三叉路があり、その左側の林の中に4号墳があります。石室がすぐ道沿いに開口していますが、夏場は薮でまったく見えません。玄室サイズ3.8m×2.3m×2.2m、羨道サイズ1.8m以上×1.5m×1.6m(「古墳奮闘」に拠る、以下同じ)の左片袖式で、奥壁には巨大な鏡石を据え、天井にも巨石を使用しています。保存状態は良好です。林の奧に3号墳があるらしいですが、夏の盛りに訪問する元気は、すでにありませんでした。
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4号墳から道を挟んだ向かいの林の中に2号墳があります。反対側の畑に向かって石室が開口していますが、夏場はやっぱり見えません。玄室サイズ4.6m×1.7m×1.9m、羨道サイズ3m×1.3m×1.5mの左片袖式で、4号墳よりは小さめですが、奥壁あたりの石材の積み方に苦労の跡がみられます。ここも保存状態はかなり良いです。
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市道をさらに北へ200m行くと奧坂休憩所があり、その西の民家裏の畑に6号墳があります。日本唯一の瓦葺き?の横穴式石室がほとんど露出していますが、内部は比較的崩壊を免れています。玄室サイズ4m×1.7m×1.8m、羨道サイズ2m×1.1m×1.5mの左片袖式で、構造は2、4号墳と共通していますが、側壁の石材がやや小さめです。
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■すりばち池古墳群
総社市福井の総社北公園内に現状保存されています。竪穴系横口式石室1、横穴式石室6のほかに小石棺などが点在します。
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■日羽大塚古墳
総社市日羽のJR日羽駅北側集落の民家裏の山林内にあります。案内標識が全くないので、初めての人はまず、行きつけないと思います。全長約10m近い横穴式石室が南に開口。玄室長約5m、幅、高さとも約2m、羨道幅1.2m、高さ1.2mくらいの左片袖式で、玄室にはやや持ち送りが見られます。
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