岡山県総社市中部の古墳


金子石塔塚古墳 【管理人特選】

 総社市金子の岡山コンクリート工場北側の山の中腹にあります。径26mの円墳で横穴式石室が南に開口。全長11.65m、玄室長5.5m、幅1.9m、高さ2.4m、羨道長6.15m、幅1.45m、高さ1.3mの右片袖式です。石室の中には吉備の首長墓にだけ見られる地元産の浪形石(貝殻石灰岩)で造られたくり抜き式家形石棺(2.1m×0.96m×1.04m)が安置されています。


長砂1号墳

 総社市尾上の民家裏の崖面に開口しています。岡山県内唯一の横口式石槨で、石材は竜山石を使用しています。墳丘ほ一辺7mほどの方墳と思われ、石槨は内法で長さ2.03m、幅0.86m、高さ0.57mあります。

崖っぷちに開口

石槨正面

石槨内部

石槨入口の扉用溝


一丁グロ(土+丸)古墳群 【市史跡】

 総社市秦、金子古墳群のあるサントピア岡山総社から北へ登っていった尾根上にあります。山林の伐採により2010年に発見された古墳群で尾根頂部に位置する1〜4号墳が2011年に市史跡に指定されています。1号墳は2011年の確認調査により、全長76m、前方部長39mの前方後方墳で葺石が良好に残っていることが分かりました。さらに墳丘の周囲に二重に列石を巡らした特異な構造をしています。周囲には小石室も見つかっています。出土した埴輪片から四世紀初めの築造と思われ、足守川以西の総社平野で最初に築かれた大型前方後方墳です。2〜4号墳はいずれも小方墳で、4号墳では大きな石材が露出しています。

 

1号墳

1号墳の葺石

2号墳

3号墳

4号墳、石材露出

5号墳


茶臼嶽古墳

 

 一丁グロ古墳群と同じ尾根上に存在し、2014年にその存在が公にされました。2015年に、県史跡指定に向けた基礎資料を得るための発掘調査が行われました。その結果、墳丘は全長58.3mの二段築成の前方後方墳と判明し、県内では三番目の大きさです。墳丘斜面には角ばった礫で葺石が施され、特に前方部側では大きめの石が貼り付けられています。これは弥生時代の大型墳丘墓に似た構造です。出土した土器の特徴などから、同じ尾根上にある四世紀前半の前方後方墳・一丁グロ1号墳よりも古い、三世紀末頃の築造と考えられます。(画像提供/かまどねこさん)

前方部から後方部

前方部先端の葺石

後方部で出土した壷形土器


金子古墳群

 総社市秦のサントピア岡山総社の駐車場横に保存されています。1号墳は一辺9mの方墳で、箱式石棺が露出しています。2号墳は一辺17mの方墳で、三方向に周溝があり、葺石はありますが、埴輪はありません。6号墳は2号墳のすぐ南にあり、これも方墳だそうです。

1号墳、箱式石棺露出

2号墳

6号墳、上方に2号墳

2号墳から見た6号墳


浦越古墳群

 総社市浦越の月崎八幡神社周辺に分布する古墳群で、各古墳の場所は非常にわかりにくいので、「古墳奮闘」を参照してください。神社東の畑の小道沿いに仮称1号墳があります。径10mほどの円墳で、横穴式石室の玄室が完存。5.5×1.4×1.4mの細長い構造の左片袖式で、奥壁は一枚石、割と巨石を使ったモダンな石室です。北のため池の北側の小道沿いにある仮称2号墳は薮の中に石室の天井石が露出しています。

1号墳墳丘

玄室奥壁

玄室奥から

2号墳

 仮称1号墳の北東200m、集落からは道路を300mほど奧に進んだ三叉路にあります。墳丘は薮に覆われて良くわかりませんが、横穴式石室は完存し、南に開口。玄室は5.5×2.3×2.3m、羨道は3.5×1.5×1.4mの大きさで、左片袖式。巨石を贅沢に使用し、側壁には持ち送りがほとんどありません。石積みの安定感が素晴らしく、一目で容易ならざる築造技術であることがわかります。水没の跡がツートーンカラーとなって、ハイグレード感を増しています。

石室入口、石垣は浸水防止のためか?

羨道、マグサ石が巨大

玄室奥壁

玄室奧から、見事なツートーンカラー

 3号墳の北100mに4号墳があるはずですが、薮が酷く断念。戻って集落の南西端の水路脇から尾根上の月読八幡神社への参道を南から登っていくと、石段を登ったところの右側に大きな墳丘があり、これが仮称5号墳です。南に回ると、横穴式石室が開口していますが、奧側半分くらいしか残って居ません。残存長4m、幅2m、高さ1.5mほどで、奥壁の石材は小ぶりですが、天井、側壁材は大きめです。奥壁前には石仏が置かれ、信仰の場となっています。

参道脇に大きな墳丘

石室正面、半壊状態

右側壁

玄室奧壁


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