福岡県田川市の古墳


夏吉古墳群 【管理人推薦】

 1、21号墳が市史跡。田川市夏吉の集落の奧に林田大池という大きなため池があり、その周辺を中心に広い範囲に分布する古墳群で、39基からなります。1、2、3、21、35号墳で横穴式石室が常時見学可能で、春秋の公開日には、1号墳で文化財担当者による説明が受けられます。

 

 1号墳 【市史跡】

 夏吉2657の林田大池の南にあります。径14.2mの円墳で、墳丘が良く残っています。横穴式石室は全長8.2m、後室長2.2m、幅2.3m、高さ2.5m、前室長1.8m、幅1.7m、高さ2.3m、羨道長2.8m、幅1m、高さ1.3mの複室構造で、奥壁は巨大な一枚石、側壁の腰石や袖石も巨石を使用しています。後室右側壁には石棚が設けられており、田川周辺では唯一の例になります。遺物は少ないのですが、六世紀後半頃の築造と思われます。

墳丘、石室とも保存状態良好

羨道から前室

前室から後室

後室奥壁の巨大な一枚石、右側壁に石棚

後室奧から

前室奧から

 2号墳

 1号墳から林田大池の外周道路を左回りに進むと、池の北側の道路沿いに2、3号墳が100mほど離れて存在しています。東側の2号墳は、竹林の中に入るとすぐに墳丘が見えてきます。径21mの円墳ですが、封土はかなり流失し、ハの字に開く羨道が露出しています。入口には扉があり、鍵は掛かっていないのですが、床が土砂に埋もれて、開きません。内部は1号墳に劣らない大型の複室構造で、巨大な奥壁やマグサ石が見えています。石材の加工が1号墳よりは直線的であり、1号墳と21号墳の間に築造されたように思えます。

墳丘の現状、かなり流失気味

石室羨道部、ハの字に開く

羨道から前室

前室から後室奥壁

 3号墳

 2号墳の西100mの道路沿いにあります。径10mほどの円墳で、道路の反対側に横穴式石室が開口しています。羨道がほとんど埋まり、羨道天井石の奧から、泥だらけになって潜り込むと、玄室は完存していました。玄室は1.5m四方ほどの正方形プランで、腰石の上に割石を持ち送った背の高い石室です。玄門は一人がやっと通れる幅しかありません。1号墳よりも古い石室のようです。

古墳の現状

石室開口部、天井石の向こう側から入室

玄室奥壁

奧から

 21号墳 【市史跡】

 夏吉2449、1号墳から400mほど南へ行くと、道路沿いに標識が出ていて、そこから100mほど登った丘陵上にあります。2010年時点で、登り道が崩れて通行困難になっていますのでご注意。径25mの円墳で、横穴式石室は群中最大規模です。全長12.5m、後室長3.19m、幅2.8m、高さ2.88m、前室長2.5m、幅1.9m、高さ2.6mの複室構造で、奥壁、側壁、天井石には花崗岩の巨石を使用しています。羨道前側は破壊されています。全体に切石風の加工がされており、1号墳よりは新しい六世紀末〜七世紀初め頃の築造と思われます。珍しい三塁環刀柄頭が出土しています。

墳丘、石室とも保存状態良好

羨道から前室

前室から後室

後室奥壁の巨大な一枚石、右側壁に石棚

後室奧から

前室奧から

 22号墳(仮称)

 21号墳から背後の尾根筋を五分ほど進むと、小さな石室の残骸が露出しています。長さ3m、幅1mほどの規模で、分布図には出ていない古墳ですが、とりあえず仮称22号墳としておきます。

 

 35号墳

 3号墳前の道路を西へ1km進むと、県道田川直方バイパスに突き当たります。この三叉路南側の角に道路で削られた小高い丘が残されていて、その頂上に35号墳が保存されています。登り道は無いので、そのまま斜面をよじ登ると径15mほどの墳丘があります。西側の県道寄りの崖っぷちに石室が開口しています。羨道はかなり破壊されていますが、玄室は完存。平面は正方形プランで、奧・側壁は腰石の上に割石を持ち送って、穹窿式の天井を構築。袖部は板石で区切っています。

玄門部

玄室奥壁

玄室奧から

穹窿式の天井部


経塚遺跡 【装飾古墳】

 田川市伊田2011、鎮西中学校西側の丘陵にあり、横穴墓群と石蓋土壙からなる遺跡で、調査後破壊されるようですが、2010年時点では、まだ放置状態です。丘陵の南北両側に横穴墓が並んでいますが、特に南側に入口や室内を装飾した横穴墓が並んでいます。S氏によると木の葉紋の線刻があるらしいですが、わかりませんでした。

入口がユニークな横穴墓群

こちらは扉石が残る

横穴墓その1

美しいドーム型の玄室

横穴墓その2

これまた美しいドーム型の玄室、敷石も残存

横穴墓その3、羨道、前室を付け足している

美しいドーム型玄室

 

横穴墓その4、墓道を羨道状に造っている

 

前壁奧から

 一段高いところにある横穴墓は、類例のない構造をしています。入口は小さな庇が付く程度の簡素な造りですが、奧に向かって広がる玄門を入ると、内部は広い空間の玄室となっていて、その奥壁に横口式石槨風の屍床が設けられています。屍床の袖部はギリシヤ神殿の柱のような彫刻が施され、天井部は綺麗なアーチ状に造られています。この横穴墓は、ぜひとも現状のままで保存してほしいのですが、どうなるのでしょうか?

入口は比較的簡素、扉石をはめる溝あり

玄室奥壁と豪華な屍床

屍床の奧から入口方向、彫刻と天井のアーチが美しい

屍床右袖部の彫刻

 尾根の反対側の北側斜面にもいくつか横穴墓があります。こちらはいたって普通の横穴のようです。

丘陵反対側の北側斜面の横穴群

内部、綺麗なドーム状ではない


<ホームへ戻る>

 

inserted by FC2 system