兵庫県高砂市の古墳


竜山1号墳 【管理人推薦】

 兵庫県高砂市阿弥陀町生石、県史跡「石の宝殿」の南側駐車場前の斜面にあります。2009年に調査され、これまで、竜山石製のくり抜き式家形石棺の身と蓋が南斜面に露出した状態でしたが、隣の小マウンドを発掘したところ、小型の切石積横穴式石室が発見されました。墳丘は斜面の岩盤を削って造成した径8mほどの円墳で、そこにブロック状に整形した切石を組んで横穴式石室を築造。長さ1.5m、幅0.95m、高さ1.26m以上の規模で、床面には石棺を置いた痕跡がありました。石室は後世に大きく破壊され、天井石は消失、石棺も、石室から動かされています。副葬品はありませんでしたが、石の宝殿などを築いた終末期の石工集団の首長墓と思われます。終末期の古墳で、石室とくり抜き式石棺の身、蓋が現地でセットで見つかるのは、大変珍しく、第一級の資料であり、これだけでも史跡クラスの発見になります。

石棺の蓋と身の現状

石棺のすぐそばに石室がありました

横穴式石室正面から、左側壁側は未調査

石室側面から


竜山5、6号墳

 兵庫県高砂市竜山一丁目、竜山1号墳の南側の尾根上にあります。1号墳から登っていくと、竜山石石切場の断崖絶壁横を通ることになるので、非常に危険であり(決してスキップなどしないように・・・)、南側の神社から登るほうが賢明です。北側の竜山5号墳は四世紀の前方後円墳で、全長36m、主体部は竪穴式石室で、かつて内行花文鏡が出土しました。墳頂に石材が一部露出しています。さらに南側の一段高い尾根上に円墳の6号墳がありますが、未調査なので詳細は不明です。

5号墳

6号墳


時光寺古墳

 高砂市時光寺町の時光寺境内の北側にある五世紀の大型円墳で、最近発見されました。2007年の第1次調査では、径40m、高さ6.5mの円墳で、葺石、埴輪の存在が確認されています。2008年の第2次調査では、墳丘の周囲に幅5.5mの周濠が検出されました。一部の底に石が敷かれていて、葺石が落下した物かどうか不明です。墳丘の裾部分は後世に削られていました。墳頂中央部では、長持形石棺の蓋石が発見されました。2m×0.8mの大きさで表面は蒲鉾形に丁寧に加工され、長辺に二個ずつ縄掛突起がついています。近くの竜山石製と思われます。

手前に周濠、底に石が敷かれている?

斜面の葺石基底石と目地石

墳頂で見つかった長持形石棺

墳頂の円筒埴輪


正連寺石棺

 高砂市阿弥陀町魚橋の正連寺境内に家形石棺の身と蓋が置かれています。身は山門のそばにあり、水槽として余生を送っていますが、端正な造り。蓋は本堂裏にあり、裏のくり込みが深くモダンな造形です。これらはセットと考えられます。


安楽寺石棺

 高砂市阿弥陀町魚橋、正連寺のすぐ東の安楽寺境内にあります。くり抜き式家形石棺の身で、140×73×48cmの大きさ。底の方に浅い段が残っています。

 


金剛寺石棺

 高砂市阿弥陀町魚橋の金剛寺裏山にあり、石仏の前の供物台として小型の家形石棺の蓋が転用されています。加古川バイパスがすぐ目の前を通っていて、車からも石仏が見えています。

石仏の供物台となっている

横から


南池墓地石棺

 石の宝殿のある山の反対側、高砂市阿弥陀町南池の共同墓地にあります。組合せ式石棺の底石が割られて、棺台として転用されていますが、組合せ用の溝が良好に残っています。竜山石の地元である高砂市内では意外にも唯一の組合せ式石棺材で、石材が手近に入手できるだけあって、わざわざ組合せ式にする必要がないからでしょうね。

 


阿弥陀古墳群

 高砂市阿弥陀、JR曽根駅北東の国道2号線周辺に分布する後期の古墳群です。

 ■阿弥陀 I 号墳(1号墳ではない)

 古墳は、すでに消滅しましたが、羨道に置かれていたくり抜き式石棺の身が高砂社会教育センターに保存されています。

 

 ■阿弥陀2号墳

 国道2号線北側の阿弥陀墓地入り口にあります。墳丘がかなり失われていますが、石室は奥壁以外はわりと良好に残存しています。全長7mくらいで、玄門部には立柱石が立てられています。

 ■阿弥陀3号墳

 鹿島中学校南側にあります。墳丘はほとんど残っておらず、石材が露出しています。

 

 ■阿弥陀4号墳(不断寺古墳) 【管理人推薦】

 3号墳の東200m、不断寺の裏にあり、南向きに横穴式石室が開口しています。前庭部を含め全長10m、玄室長4m、幅2.7m、高さ3m、羨道長3.5m、幅1.5m、高さ1.7mの両袖式で、巨石を使用した、天井の高い大型石室です。羨門部には立柱石で前庭と区別しています。玄室の石材のすきまには粘土が詰められていますが、おそらく後世のものでしょう。

 

 ■阿弥陀15号墳

 阿弥陀小学校の西300mの山裾に、建て込んだ住宅地があり、その一番北の奧にあります。径10mほどの円墳で、横穴式石室が南に開口していますが、入口は閉鎖されています。内部を覗くと、奥壁側も開口してそうですが、ものすごい薮で接近できません。

薮に覆われた墳丘

石室開口部、閉鎖されている

石室内部

 ■阿弥陀16号墳

 墓地の東の雑木林の中にありますが、墓地から行くことはできず、隣のジャスコの施設から進入します。奥の倉庫の裏に裏山が鍵状に曲がった箇所があり、そこに石棺仏が置かれています。その位置が16号墳で、削られた崖に石材が一部露出しています。石棺仏は家形石棺の蓋石に地蔵立像を刻んだ室町中期のもので明らかに竜山石製ですが、どこから出土した物かは不明です。

16号墳南斜面にある地蔵石棺仏

16号墳の露出した石材

 ■阿弥陀17、18号墳

 16号墳の北隣に17号墳があり、石材が1個露出しています。東30mに18号墳がありますが、ほとんど高まりもありません。18号墳北側に石棺仏と普通の石仏が並んで建っています。左側の石棺仏はやはり竜山石製で、家形石棺蓋石に二体の地蔵立像が刻まれていて、文安二年(1447)の銘があります。

17号墳

18号墳北側の二地蔵石棺仏(左)


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