兵庫県高砂市南部の石棺群


中筋地蔵堂弥陀石棺仏

 高砂市伊保町中筋二丁目の時光寺の南200mの集落内にあります。コンクリ製の小堂の中に三体の石棺仏が並んでいますが、主役の弥陀石棺仏は122cm×72cm×39cmの肉厚の家形石棺の蓋に弥陀坐像を刻んでいます。室町中期頃の作風です。向かって左には地蔵石棺仏、前にも小さな弥陀石棺仏があります。

中央が弥陀石棺仏、左が地蔵石棺仏

弥陀石棺仏と、その前の小弥陀石棺仏


天の磐舟石棺 【県文化財】

 元、伊保山山頂にあった家形石棺の蓋で、未製品として放置されていましたが、現在は高砂市社会教育センターに保存されています。播磨では最大級の大きさです。

 


阿弥陀 I 号墳(1号墳ではない)石棺

 古墳は、すでに消滅しましたが、羨道に置かれていたくり抜き式石棺の身が同じく高砂社会教育センターに保存されています。

 


明覚寺石棺

 元、荒井町の明覚寺にあったくり抜き式石棺の身で、現在は同じく社会教育センターに置かれています。

 


覚正寺石棺

 高砂市神爪の覚正寺境内、山門を入って左の方にあり、隣りに山片蟠桃の顕彰碑があります。きれいな形のくり抜き式家形石棺の身ですが、所々欠けているのが惜しいところです。

 


西法寺石棺

 高砂市北浜町北浜の西法寺境内にあります。くり抜き式家形石棺の身ですが、一部欠けていて、風化が進んでいます。

 


圓明寺石棺

 高砂市梅井四丁目の圓明寺境内にあります。小型の家形石棺の蓋が置かれていますが、棟飾り風に加工された珍しいデザインです。

 


伊保町網堂地蔵石棺仏

 高砂市伊保東町一丁目、谷川橋の西100mの集落内にありますが、ゴミゴミしているので、場所がかなりわかりにくいです。80cm×63cm×28cmの家形石棺の蓋石に大きな地蔵立像を刻んでいて、顔は磨滅していますが、全体的に保存状態は良好です。古式の様相から抽象化へと変化する過渡期の作風で、室町前期頃のものと思われます。


黒岩十三仏石棺

 高砂市曽根町の国道250号線沿い、住吉神社の隣りに市指定文化財の黒岩十三仏があり、その前の供物台に石棺材が二つ使用されています。どちらも組合せ式石棺の底石で、上側の石材は段差状の溝、下側の石材は彫り込み状の溝が残っています。

国道沿いにある黒岩十三仏

石仏の前の供物台

上側の底石の裏の溝

下側の底石


阿弥陀墓地・二地蔵石棺仏

 高砂市阿弥陀町阿弥陀の阿弥陀墓地に阿弥陀18号墳があり、その北側に石棺仏と普通の石仏が並んで建っています。左側が石棺仏で竜山石製です。家形石棺蓋石に二体の地蔵立像が刻まれていて、文安二年(1447)の銘があります。

 


阿弥陀墓地奧・地蔵石棺仏

 同じく阿弥陀墓地の東の雑木林の中にありますが、墓地から行くことはできず、隣のジャスコの施設から進入します。奥の倉庫の裏に裏山が鍵状に曲がった箇所があり、そこに石棺仏が置かれています。その位置が阿弥陀16号墳で、削られた崖に石材が一部露出しています。石棺仏は家形石棺の蓋石に地蔵立像を刻んだ室町中期のもので明らかに竜山石製ですが、どこから出土した物かは不明です。

阿弥陀16号墳南斜面にある地蔵石棺仏

阿弥陀16号墳の露出した石材


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