滋賀県高島市拝戸古墳群


 拝戸古墳群は、音羽古墳群の西1km、高島市(旧高島町)拝戸にあり、水尾神社裏山にある第一支群1基、拝戸団地背後の尾根上にある第二支群14基(探索結果は21基)、その麓の平坦地にある第三支群11基の三支群からなります。第一支群の1基のみが中期で、他はすべて六世紀代の横穴式石室墳です。第二支群7号墳だけが帆立貝式で、ほかはすべて円墳です。

第一支群

 水尾神社裏山の山頂にある皇子塚古墳1基からなります。径20mの円墳で、未調査のため、詳細は不明ですが、群中唯一の中期の古墳と見られています。というよりは、同じ古墳群とするのに無理が有るかも知れません。

 

第二支群

 水尾神社の南東の集落奧に昌泉寺があり、そこからフェンスを越えて山沿いに東へ進むと墓地があります。墓地から奧の林にかけての平坦地に第三支群がありますが、ここから、南の急斜面を登り詰めた尾根上に第二支群があります。道はなく、慣れない人にはかなり危険ですので要注意。尾根上は南北に細長い平坦地になっており、その北の先端部に1号墳があります。奥壁が開口しており、内部は比較的良好に残っています。玄室長4.5m、幅2.7m、高さ1.5m以上、羨道幅1mの極端な右片袖式で、大炊神社裏山2号墳に良く似ています。袖部天井にも盗掘坑があり、羨道は、閉塞されたままの状態です。側壁は持ち送りが急で、大炊神社裏山2号墳よりも古い、高島地域最古の横穴式石室と考えられています。

開口する奥壁側

奧から前壁方向

玄室奥壁、破壊され、土砂流入している

羨道の奧、閉塞状況

 1号墳の背後に、古墳が奧に向かって東西二列に並んでいます。向かって右(西)側の列では、2(以下訪問順に仮称)〜7号墳が一直線に並んでいますが、いずれも低いマウンドに石材が散乱している程度です。最も奧の8号墳では、横穴式石室の側壁の一部が露出しています。ここから、折り返して東側を1号墳に向かって戻っていくと、最初にある9号墳は、大きな横穴式石室が露出しています。玄室長4m、幅2m、高さ2.5mくらいの両袖式で、羨道、天井部が欠損していますが、それ以外は良く残っています。持ち送りがありますが、明らかに1号墳よりは新しい構造です。

8号墳、側壁の一部残存

9号墳石室正面

9号墳玄室奥壁

9号墳奧から

 次の10号墳は横穴式石室が露出し、隙間から、内部を覗けます。11号墳は、石室の天井部が開口しています。内部は完存していて、特に玄室奥壁は、立派な鏡石が据えられています。玄室長3m、幅1.5m、高さ1.8mの右片袖式です。1号墳よりはかなり新しいです。

10号墳、石室露出

11号墳、天井部が開口

11号墳、玄室奥壁、立派な鏡石

11号墳、玄室奧から

 12号墳は横穴式石室の石材が一部露出、13号墳は、側壁と奥壁の一部が残存しています。14号墳は石材が散乱、ここから東の方向に緩やかに下っていく尾根筋があり、そこに1基だけはみ出す位置に保存の良い円墳がありますが、主体部は埋まったままです。

12号墳、石材露出

13号墳、側壁と奥壁の一部残存

14号墳、石材散乱

 16号墳は横穴式石室が露出、玄室が崩落し、内部もかなり埋まっています。全長4m、幅1mほどです。17号墳は玄室の天井石が落下していますが、内部は良く残っていそうです。玄室幅1.2mほどで、奥壁の石材も小さめです。

16号墳、石室正面

16号墳、玄室天井が崩壊

17号墳、玄室の天井石が落下

17号墳、玄室奥壁

 17号墳のあと、1号墳に戻り、そこから北へ急斜面を下ると、途中に18号墳の横穴式石室が露出しています。西へ等高線に沿って50m移動すると、狭い平坦地があり、19〜21号墳が密集しています。いずれも石材が散乱する程度です。

18号墳、石室露出

19号墳、石材散乱

20号墳、石材散乱

21号墳、石材散乱

第三支群

 麓の墓地に戻ると、中央に1号墳(仮称、以下訪問順)の横穴式石室が露出しています。幅1mほどで、内部は完全に埋まっています。そこから南東の山林に入っていくと、すぐに、2号墳があります。横穴式石室が全壊しています。隣りの3号墳も石室が崩壊し、石材が露出しています。

1号墳全景

1号墳

2号墳、全壊した横穴式石室

3号墳、石材露出

 さらに奧の開けた場所に4〜11号墳が密集していますが、この一画は規模、墳形、主体部において、実にバラエティに富んだ構成になっています。北側から、4号墳は墳丘のみの小円墳、5号墳は石材散乱、北東端の6号墳は、小さな横穴式石室がかすかに開口。その南にある7号墳は、大きめの円墳で、横穴式石室が東西に並ぶ双室墳です。石室はともにわずかな隙間が開いていますが、西石室は持ち送りの急な玄室が完存しているようです。東石室はほとんど埋まっています。

5号墳石材散乱

6号墳石室内部

7号墳、西石室開口部

7号墳、西石室内部、完存してそう

7号墳、東石室開口部

7号墳、東石室内部

 8号墳は、天井石が露出し、隙間から覗くと、内部は比較的良く保存されています。隣の7号墳は径20m近い巨大な円墳。その奧の11号墳も大きな墳丘で、これがおそらく唯一の帆立貝式古墳(だとしたら7号墳)だと思いますが、確証なし。そのそばに小さな石室が露出した10号墳があります。

8号墳

8号墳玄室

10号墳

11号墳、ほんとは7号墳か?


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